好きという言葉は暴力だと思っている。意地が悪ければ悪いほど、魅力があるならあるほど、これを意識して他人を思うようにすることは容易いと思います。私の出会ってきた人たらしたちは、例外なく人への好意を露わにするし、その好意に意味や責任は往々にして無い。あるのは行動と反射だけ、わたしはもっと平らになるまで、そういうふうに殴りつけられたい。 女も男も人ではないね、それは道具の名前だ。武器になるまで磨くなり、ガンになるほど無視するなりして、奇形のそれをたずさえた人は、美しいかはさておき、それぞれ珍しく、どれが誰かを認識できる。あなたのものではない血を流すあなた、は多分わたしと違う生き物で、もう触られてしまった人たち、わけがわからなくなるのをこわいと思わない人たち。守られてるから話が通じないし、お互いにきっとわからない。目耳鼻口すべて均されたつるつるの顔で、当たり障りなくのっぺら同士で誰が誰だかわかって