この春に発売されました、 斎藤環さんの 『母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか』(NHKブックス) という本があります。 語るのが難しい母と娘の関係に斬り込んだ、たいへん示唆深い本です。 少女マンガに興味のある方は、 第二章の『少女まんがと「母殺し」問題』は必読かと思います。 精神科医である斎藤環氏は、 『戦闘美少女の精神分析』というオタクに関する著作をおもちであり、 また野火ノビタ氏の『大人は判ってくれない』におさめられている対談や解説でも 「やおい」について言及しておられます。 今回の本でも、母と娘の関係の複雑さと関連しつつ、 「やおい」にもかなりつっこんだ言及がされています。 個人的には、「やおい」に関しての以下の説明に共感しました。 「やおい」というジャンルの成立に関する私なりの見解は第三章で詳しく述べますが、私はこのジャンルの成立においては、対幻想からの逃走と、純粋