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遡ること10年前、2014年8月にロコモティフ・モスクワから契約を解除され、1050万ユーロもの損害賠償を請求された上に国際移籍証明書の発行が認められず、11カ月にわたって無所属が続いたラサナ・ディアラ。そこで移籍を妨げたFIFAのルールをめぐって訴訟を起こした結果、今年10月に一部がEU法に違反しているとの判決が欧州司法裁判所から下されたが、この「ディアラ判決」が国際サッカー界を震撼させていることをご存じだろうか?移籍金ビジネスが根本から揺らぐ衝撃と未来を、FIFPRO(国際プロサッカー選手会)アジア支部代表も務める山崎卓也弁護士が前後編に分けて解説する。 2024年10月4日にECJ(European Court of Justice/欧州司法裁判所)が下した、元フランス代表MFラサナ・ディアラ選手に関する判決(Case 0-650/22, FIFA v. Lassana Diarra
喫茶店バル・フットボリスタ~店主とゲストの本音トーク~ 毎月ワンテーマを掘り下げるフットボリスタWEB。実は編集者の知りたいことを作りながら学んでいるという面もあるんです。そこで得たことをゲストと一緒に語り合うのが、喫茶店バル・フットボリスタ。お茶でも飲みながらざっくばらんに、時にシリアスに本音トーク。 今回のテーマは、高卒選手がJリーグで出場機会を得られないという「ポストユース問題」だったが、それを起点にした高体連とクラブユースの現状から、Jリーグのホームグロウン制度やABC契約といった時代に合わない制度が引き起こしている「本末転倒な現象」まで、過渡期のJリーグが抱えている問題点を幅広く議論してみた。 ※無料公開期間は終了しました。 今回のお題:フットボリスタ2024年7月特集 ポストユースの壁に挑むルーキーたち 店主 :浅野賀一(フットボリスタ編集長) ゲスト:川端暁彦 バル・フットボ
HOME SPECIAL J1昇格→J1定着→ルヴァン杯獲得&J1過去最高順位→???。アビスパ福岡 ・柳田伸明強化部長インタビュー(前編) アビスパ福岡のチーム強化が順調だ。20年に長谷部茂利監督が就任すると就任1年目でJ1昇格を達成、その後J1に定着すると、23年にはルヴァンカップ獲得およびJ1での過去最高順位を記録した。長谷部アビスパは順調な成長曲線を描いているが、そもそもチームを強化するためにどのようなビジョンを描き、立ち振る舞ってきたのか。長谷部監督の招聘に関わり、その後のチーム強化を陣頭する柳田伸明強化部長に話を聞いた。 キーマンである長谷部茂利監督の招聘理由とは ――柳田さんが福岡の強化部長に就任されたのが2019年ですね? 「そうです、19年の11月です。現在アビスパ福岡の副社長であり、ベルギーのシントトロイデンのCEOを務める立石敬之さんが、私が強化部長に就任するのとほぼ
【松田浩(ガンバ大阪フットボール本部 本部長)インタビュー前編】アヤックスとの提携で見据える未来。スカウト、育成、ブランディング……ガンバ大阪の発展はマルチクラブネットワークとともに 2024年3月、ガンバ大阪はAFC アヤックスと3年間の『フットボール戦略パートナーシップ』に合意したことを発表した。トップチームの強化をはじめ、育成、スカウト、事業面まで包括した提携内容は驚きと期待をもってファン・サポーターに受け入れられた。 5月下旬にはアヤックスと提携する4クラブ(CF パチューカ[メキシコ]、アトレチコ・パラナエンセ[ブラジル]、シャージャFC[UAE]、ガンバ大阪)が一堂に会し、フットボールに関する知識と経験を交換することを目的とした『1st Club Network Summit』がオランダ・アムステルダムで開催され、アヤックス以外のクラブとの連携も深まっている。 ガンバ大阪はこう
「日本が国際サッカー界に影響力を持つチャンスが訪れた」――元FIFAコンサルタント・杉原海太が語る、Jリーグ2024シーズンの“ビジネス”プレビュー 2024シーズンのJリーグが開幕した。コロナ禍による混乱も一段落し、2026年のシーズン移行を見据えた今シーズンは転換期に入ったと捉えることができる。本記事ではそうした背景をふまえつつ、ビジネス面における今シーズンの注目点を専門家の目線で紹介する。 話を伺ったのは杉原海太氏。2005年にThe FIFA Master 第5期生として修了した後、2006年から8年間勤務したアジアサッカー連盟(AFC)では、Head of Developmentとして各国リーグ・クラブ支援プログラムの立ち上げに尽力。2014年からはFIFA コンサルタントとして、協会・リーグ・クラブのガバナンス、戦略立案・業務改革を推進。現在はデータコンサルタント集団『Twen
優勝候補の最右翼としてアジアカップに出場しながらも、直接対決で競り負けたイラクに次ぐ2位でグループステージを突破した日本代表。同じく本命である韓国も格下に足下をすくわれて首位通過を逃しているが、彼らが軒並み苦戦した理由は何なのか?そのヒントである「帰化」による出場国の強化策を、アジアサッカー事情に精通するyosuke氏に解説してもらった。 4年に1度開催されるアジアフットボール界の祭典、アジアカップ。今大会は新型コロナウイルスの影響で中国からカタールへ開催地が変更。約1年前のW杯の興奮さながらに、熱戦が繰り広げられている。 我らが日本代表は欧州クラブに在籍する選手を多く招集している。国内のみならずアジア全域においても「優勝候補筆頭」との位置づけだった。お隣の韓国代表も例年にない人数の海外組を擁し、現地メディアでは「史上最強の代表チーム」と推す声も少なくなかった。 ところが、蓋を開けてみると
不定期連載「Jリーグと30年を走り続けて」第2回 1993年5月15日に開幕したJリーグは2023年に30周年を迎えた。W杯が「夢の舞台」から「出場して当たり前の大会」に変わったように、この間に日本サッカーは目覚ましい進歩を遂げた。果たして、Jリーグが30年で与えてくれたものとは何だったんだろうか? この連載では様々な立場の当事者の声を聞き、あらためて30年の蓄積について考えてみたい。 第2回に登場するのは鹿島アントラーズで14冠を達成したクラブのレジェンドで、11月19日には引退試合も控える本山雅志。後編では「先天性水腎症」という難病を抱えながら、43歳まで現役を続けられた理由を尋ねた。 前編へ→ 11/19(日)に開催する本山 雅志アカデミースカウトの引退試合の名称が「モトフェス」に決定し、同試合の特設サイトを開設しました!#antlers #モトフェス 随時、最新情報は特設サイトで発
不定期連載「Jリーグと30年を走り続けて」第2回 1993年5月15日に開幕したJリーグは2023年に30周年を迎えた。W杯が「夢の舞台」から「出場して当たり前の大会」に変わったように、この間に日本サッカーは目覚ましい進歩を遂げた。果たして、Jリーグが30年で与えてくれたものとは何だったんだろうか? この連載では様々な立場の当事者の声を聞き、あらためて30年の蓄積について考えてみたい。 第2回に登場するのは鹿島アントラーズで14冠を達成したクラブのレジェンドで、11月19日には引退試合も控える本山雅志。前編では「とてもワクワクしている」という古巣・鹿島のアカデミースカウトという新しい旅について聞いた。 11/19(日)に開催する本山 雅志アカデミースカウトの引退試合の名称が「モトフェス」に決定し、同試合の特設サイトを開設しました!#antlers #モトフェス 随時、最新情報は特設サイトで
喫茶店バル・フットボリスタ ~店主とゲストの本音トーク~ 毎号ワンテーマを掘り下げる月刊フットボリスタ。実は編集者の知りたいことを作りながら学んでいるという面もあるんです。そこで得たことをゲストと一緒に語り合うのが、喫茶店バル・フットボリスタ。お茶でも飲みながらざっくばらんに、時にシリアスに本音トーク。 今回のテーマは「MCOが変革する移籍戦略11の論点」。今の移籍市場で起こっている大変革は、Jリーグにも直接的に波及していく。今後数年で日本人新卒選手の進路選択は大きく変わっていくことになるのかもしれない。 ※無料公開期間は終了しました。 今回のお題:フットボリスタ2023年9月号 「MCOが変革する移籍戦略11の論点」 店主 :浅野賀一(フットボリスタ編集長) ゲスト:川端暁彦 バル・フットボリスタが書籍化! 「MCO×サウジ」が巻き起こす、移籍市場の大変革 川端「どうもマスター。今回は短
バルセロナ、セルティック、パリ・サンジェルマン、インテル……今夏は欧州のビッグクラブが続々と来日した。数多く開催された親善試合の中でも横浜F・マリノスがマンチェスター・シティと対戦した「明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023」(以下、JWC)と、欧州CL22/23準々決勝と同カードとなったFCバイエルン・ミュンヘンとマンチェスター・シティの一戦「Audi Football Summit」(以下、AFS)はともに6万人以上の観客を集め、大きな話題を呼んだ。 一連の欧州クラブによる日本での親善試合は、高額なチケット代などを理由に集客に苦戦したものもあった中で、既述の2試合が集客に成功した要因は何だったのか。公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(以下、Jリーグ)と共にJWCとAFSを主催した株式会社NTTドコモ所属の田中洋市氏、渡辺俊晴氏、大山翔之介氏の3名に、主にJWCにフォーカスする形で
スペインのビルバオ州に位置するセスタオ。この地で今季創設100周年を迎えたセスタオ・リベル・クルブが、今季4部リーグ相当で優勝を果たし、来季の3部昇格を決めた。20―21年シーズン終盤(21年5月)に当時5部相当の同クラブに加入したDF丹羽大輝は、約2年間で2カテゴリーの昇格に貢献した。18歳からプレーしてきたJリーグを離れ、35歳で決断した海外移籍。スペインの地で家族とともに暮らし、サッカーにすべてを捧げる毎日だ。現在はスペイン1部のRソシエダでMF久保建英が活躍するとは言え、かつては日本人が活躍できないと言われたスペイン。かの地で戦い、学び続ける彼の言葉を借りて、スペインサッカー深淵の一部をのぞき見る。 日本では考えられない光景が、目の前に広がっていたと言う。優勝を決めた同日に行われたセスタオの町で行われたパレード。選手達が乗ったバスを取り囲む大勢のサポーター、そして声援に応える選手た
『森保JAPAN戦術レポート』発売記念企画#8 2月9日発売の『森保JAPAN戦術レポート 大国撃破へのシナリオとベスト8の壁に挑んだ記録』は、大ヒット作『アナリシス・アイ』の著者・らいかーると氏がアジア最終予選からカタールW杯本大会までの日本代表全試合を徹底分析しながら、森保ジャパン進化の軌跡と日本サッカーの現在地をたどっていく一冊だ。その刊行を記念して『森保ストラテジー サッカー最強国撃破への長き物語』の著者・五百蔵容氏との特別対談を公開!第1次政権で見えた森保一監督の戦略家としての一面から、W杯で課題として浮き彫りになった対応力との向き合い方まで幅広く日本サッカーについて語ってもらった。 ※2023年3月30日追記:誤解を招く記述が一部含まれておりましたので修正いたしました。読者および関係者の方々に心よりお詫び申し上げます。そちらにともない、あらためて3日間無料公開しております。 ※
【特別公開】『エコロジカル・アプローチ』はじめに 3月15日発売の『エコロジカル・アプローチ 「教える」と「学ぶ」の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論と実践』は、欧米で急速に広がる「エコロジカル・アプローチ」とその実践メソッド「制約主導アプローチ」の解説書だ。そもそもエコロジカル・アプローチとは何で、なぜ必要なのか?――本書のコンセプトを記した「はじめに」を特別公開! <ご購入はこちら> 本書のタイトルに謳っている「エコロジカル・アプローチ」は、読者の皆様にはまだ耳慣れない言葉でしょう。単刀直入に申し上げます。エコロジカル・アプローチという「運動学習・スキル習得」理論は、これからのスポーツ指導のあり方を、ひいては教育のあり方すら劇的に変えていく可能性を秘めた、指導実践や学習実践の強力な手引きとなるものです。 タイトルに惹かれて、本書をお手に取られているのは、サッカーをはじめとするスポ
日本のラーメン文化に馴染んでいる彼が知っておくべき名古屋のラーメン店を新背番号77(浦和在籍時も7番)にあわせて7店、食事から旅行まで幅広くサッカー観戦の魅力を発信しているグランパスサポーターのしばのうえ氏に選出してもらった。 浦和レッズからキャスパー・ユンカーが期限付きで名古屋グランパスに加入した。ユンカーと言えば日本食が大好きで、特にラーメンを食べて臨んだ試合では結果を残すっていうんだから面白い。 サッカー選手がシーズン中にどれくらいの頻度でラーメンを食べていいかは私にはわからない。それでも、1点でも多くゴールを奪って愛するクラブの勝ち点を1でも多く増やしてくれるなら、そのサポーターの一人として紹介させてほしい。グランパスのホームタウンの一つである名古屋市内で味わえるおいしいラーメン屋さんを。 萬来亭 まず最初に紹介するのは名古屋市緑区にある「萬来亭」。グランパスの練習場がある三好ヶ丘
喫茶店バル・フットボリスタ ~店主とゲストの本音トーク~ 毎号ワンテーマを掘り下げる雑誌フットボリスタ。実は編集者の知りたいことを作りながら学んでいるという面もあるんです。そこで得たことをゲストと一緒に語り合うのが、喫茶店バル・フットボリスタ。お茶でも飲みながらざっくばらんに、時にシリアスに本音トーク。 今回のテーマは「カタールW杯での日本代表総括」。帰国直後の川端さんがその熱量そのままに、ドイツ、スペインに感じた「完成度が高すぎる」問題、そこから学べる日本代表の進むべき道を熱く語った。 「3バック特集」がまさかのジャストフィット!? 川端「やあマスター、久しぶり」 浅野「え、また来たの(笑)。もうカタールから帰国したんでしたっけ?」 川端「ちょうど一昨日に帰ってきたところですよ。寒暖差で脳がバグってるけど……」 浅野「日本代表の歴史的な戦いを現地で見られて良かったですね。こっちは雑誌の校
日本戦徹底解剖 12月6日、カタールW杯ラウンド16のクロアチア戦、120分間の戦いの末にPK戦で敗れ、日本代表の歩みはベスト16で終わりを迎えた。グループステージではコスタリカには敗れたものの、ドイツとスペインに逆転勝利。公式記録で言えば2勝1分1敗、得点は5で失点は4だった。未来を見据えるために、今大会から学んだことを山口遼氏が総括する。 思うに今大会ほど総括や評価が難しい大会も中々ないだろう。 過去に目をやれば、4年間を通じた準備に対する評価は決して高くはなかった。 アジア最終予選では苦戦を強いられたし、披露されるフットボールは一見すると単調で、代表人気は低迷した。一方で、大会中の戦いぶりはまさに殊勝。格上かつ優勝候補と目されていたドイツ、スペインをともに2-1の逆転勝利で破り、前大会準優勝のクロアチア代表をあと一歩のところまで追い詰めた。森保一監督を含めた日本代表の戦いぶりは、まさ
日本戦で120分間フル出場し、「16.64km」を走ったブロゾビッチ。この記録はW杯史上、個人最長である(ちなみに、前記録保持者も彼)。PK戦でも、あのプレッシャーの中で真ん中に蹴る強心臓ぶりを発揮した「変人」の魅力を長束恭行氏に伝えてもらおう。 ブラジルメディアも要注意人物にフォーカス 「サッカー王国」のブラジルにも知られてしまった。ヤツはヤバいって。 ルカ・モドリッチと並ぶクロアチアの中盤の要といえば、やはりマルセロ・ブロゾビッチだ。「鉄人」のイメージが強い彼ではあるが、実はカタールW杯出場が危ぶまれていた。9月25日のネーションズリーグ「オーストリア対クロアチア」では太腿を押さえて18分に交代。筋断裂という予想以上のケガで1カ月以上の離脱を強いられた。11月6日のユベントス戦で復帰したものの、W杯開幕までインテルで出場した時間は3試合で47分間。今のクロアチアでは替えの利かない選手だ
日本戦徹底解剖 PK戦の末、クロアチアに及ばずラウンド16でカタールW杯から姿を消した日本代表。4度目となった8強への挑戦はなぜ敗戦に終わったのか。2月9日に発売する『森保JAPAN戦術レポート』の著者らいかーると氏が分析する。 日本を撤退させたロングボール クロアチアがデザインされたキックオフで敵陣ペナルティエリアに侵入したかと思えば、今度はショートコーナーを披露した日本の谷口彰悟が惜しいヘディングシュートを放つ。両チームの立ち上がりは、この試合にかけてきた準備を惜しみなく出していく決意を十分に感じさせるものだった。 序盤、[3-4-3]または[5-2-3]で構える日本のプレッシングで見られたのは攻撃的な姿勢。[4-3-3]を基本布陣とするクロアチアのゴールキックに対しても、後方の同数3対3を受け入れていた。それでもボールを繋ごうとするクロアチアのビルドアップに対して、前田大然がGKドミ
11月20日から12月2日まで開催されたカタールW杯のグループステージ。日本がドイツ、スペインを撃破して首位通過を果たしたグループEを筆頭に各組で番狂わせが相次ぐ中、ピッチ上で見られた5つの戦術トレンドを48試合すべてを観たマッチレビュアーのせこ氏に考察してもらった。 先日、第一子が生まれたばかりで迎えるW杯。大会期間に強引に育児休暇をかち当てたことでEURO2020に続き、全試合視聴チャレンジに踏み切った。1日4試合といういっそう過酷なスケジュールの中、オムツ交換とミルク投与に追われながらグループステージを追いかけて感じた5つのトレンドについて考察していきたい。 ①全局面に対応できるチームの増加 一般的にW杯はEUROを始めとする大陸チャンピオンを決める大会と比べると、参加している国の実力差が大きいコンペティションとされる。よって、強いチームと弱いチームのマッチアップは増えるはずである。
日本戦徹底解剖 PK戦で日本の前に大きく立ちふさがったドミニク・リバコビッチ。しかし、「このPK戦を通して、まるで僕の全人生が通り過ぎたような感覚」と語った守護神は、W杯欧州予選で極度の不調に陥っていた。そこに正面から向き合ったのが、キャプテンのモドリッチだった。 カタールW杯出場を目指す6人のキャプテンに密着取材した『キャプテンズ』というドキュメンタリーシリーズがある。共同制作者の『FIFA+』で無料視聴が可能なのだが、第6話に必見のシーンが出てくる(リンクはこちら。対象シーンは22分56秒から)。 本大会にストレートイン出場するためにも、クロアチアは最終節のロシア戦に勝利する必要があった。ところが、正GKドミニク・リバコビッチは極度の不調に陥り、10月の連戦に続いて11月のロシア戦でもレギュラーを外されてしまう。ルカ・モドリッチは精神的に落ち込んでいる彼をホテルのソファーに呼び出した。
育成年代で彼に関わってきた指導者、クロアチア代表監督やOB、そしてRBライプツィヒの監督まで、誰もが規格外の20歳に夢を見てしまっている。ヨシュコ・グバルディオル、ポジションはCBと左SB、チームメイトからつけられたあだ名は「ペップ」(グアルディオラからの連想)。今や8000万ユーロの市場価値と言われるクロアチア代表DFの正体に迫る。 「パワーとスピード、冷静さとテクニック。陽気で楽観的な性格。まさに天からの贈り物だ。あえて私から言わせてもらう。バトレニ(クロアチア代表の愛称)の歴史上、最高のCBを手に入れた。1年後にはファン・ダイクと肩を並べるだろう。しかも左利き。ヨシュコと一緒ならばクロアチアは世界王者になれるかもしれない」 90年代のクロアチア代表を支えたCBで、のちに代表監督も務めたイゴール・シュティマッツ(現インド代表監督)は忖度抜きの辛口な批評をする人物だが、ヨシュコ・グバルデ
日本戦徹底解剖 48分、堂安律。51分、田中碧。その間わずか3分、後半開始早々の反撃で2点を奪い、スペインに2-1の逆転勝利を収めた日本代表。“死の組”と称されたカタールW杯グループEで首位通過を決めた戦いぶりを、2月9日に発売する『森保JAPAN戦術レポート』の著者らいかーると氏が分析する。 左右で歪んだ日本の守備配置 スペインのキックオフから、CBのパウ・トーレスが長友佑都めがけてロングボールを蹴り込む。徹底的にボールを繋ぐチームのはずが、開始早々に意外な展開を繰り出した。ちなみにスペインはすべてのキックオフで日本の左サイドを狙っていたが、特に効果的ではなかった。彼らなりの儀式なのかもしれない。 日本は序盤こそ前田大然がCBまでプレッシングを行うものの、周りのチームメイトが連動・連携する気配はなかった。[4-3-3]のスペインに対して[5-2-3]の日本が準備してきたプレッシングの開始
6月7日、吉田麻也が出席したFIFPRO( 国際プロサッカー選手会)主催のオンライン記者会見で衝撃の事実が明かされた。調査によると、この日本代表主将はロシアW杯以降の4年間で国際Aマッチに出場するため、地球8周分に相当する約31万8000km もの長距離移動を強いられていたという。「このままいくと、いつ体が壊れてもおかしくない」――吉田の口から発せられた悲痛な声の背景にあるサッカーエコシステムの問題点と、その解決策とは?同会見を手引きしたFIFPROアジア支部代表の山崎卓也氏が解説する。(取材日:2022年6月27日) ※『フットボリスタ第92号』より掲載。 長距離移動は選手だけの問題ではない ── 6月の国際Aマッチ期間中、日本代表・吉田麻也選手のオンライン取材対応を主催していただきました。「4年間で地球8周分」という壮絶な移動距離が明示され、アジアで戦う欧州組の現実を突きつけられました
日本戦徹底解剖 ドイツ相手に下馬評を覆す1-2の逆転勝利を収め、カタールW杯初戦を白星で飾った日本代表。日本中が歓喜に沸いた注目の一戦で繰り広げられた戦術的攻防を、2月9日に『森保JAPAN戦術レポート』を上梓するらいかーると氏に分析してもらった。 開始4分で見破られた日本のルール ドイツのキックオフで始まった試合のオープニングは、ロングボールによる奇襲だった。ボール保持を志すドイツからすれば意表を突いたつもりだったかもしれない。しかし、これを日本が冷静に跳ね返すと、他のW杯の試合とは異なり明確に構図が現れることになる。お互いに様子見のロングボール合戦をするつもりはなく、ボール保持で試合をコントロールしたいドイツとボール非保持で真っ向勝負を挑みたい日本の思惑が一致したゆえに、開始早々から両チームの自己紹介が始まった。 相手陣地のセンターサークル付近で[4-4-2]からプレッシングを開始する
小笠原博毅(神戸大学教授)インタビュー サッカーファンの間で弄される「サッカーに政治を持ち込むな」という警句。一方でW杯が開催されているカタールの労働環境が取り沙汰されたり、BLACK LIVES MATTERへの連帯を示す膝つきジェスチャーが試合前に行われたり、戦争を起こしたロシアの国際試合参加が禁止されたりと、社会問題がスタジアムやピッチに見え隠れしているのは紛れもない事実だ。この一見正論に聞こえるフレーズの下で単純化されている、サッカーと政治が織りなす複雑な関係について、神戸大学でカルチュラル・スタディーズを研究する小笠原博毅教授に話を聞いた。 ※『フットボリスタ第92号』より掲載。 サッカーは世界を1つにしない ──「サッカーに政治を持ち込むな」という警句があります。このフレーズに対し、どのような考えをお持ちですか。 「『政治を持ち込む』と言う時、そこには持ち込む主体が想定されてい
喫茶店バル・フットボリスタ ~店主とゲストの本音トーク~ 毎号ワンテーマを掘り下げる雑誌フットボリスタ。実は編集者の知りたいことを作りながら学んでいるという面もあるんです。そこで得たことをゲストと一緒に語り合うのが、喫茶店バル・フットボリスタ。お茶でも飲みながらざっくばらんに、時にシリアスに本音トーク。 川端さんが「結果が出る前に言っておきたい」とのことで、彼がカタールに飛ぶ前日に急遽バル開店。テーマはカタールの人権問題、そして大きな転換期を迎えた日本代表のピッチ内外での在り方だ。 バル・フットボリスタが書籍化! 「カタールの人権問題」に感じた温度差 川端「さて、マスター。年一回の恒例企画『バル・フットボリスタ』。2022年版を開催するときが来ましたね」 浅野「え、年1回になったんだ(笑)。店主の俺も初めて知ったんだけど。ちなみに、記憶の彼方だけど、前回はいちおう2022年の4月にやってい
【対談】周央サンゴ(にじさんじ)×邨田直人(サンケイスポーツ) 今年3月から5月にかけて2022シーズンのJ1リーグ全18クラブ、8月からはルヴァンカッププライムステージに進出した8チームとコラボレーションを果たしているVTuberグループ「にじさんじ」。その中でサッカーに苦手意識を持ちながらもセレッソ大阪の応援ライバーとして大抜擢された周央サンゴさんと、同クラブを取材している『サンケイスポーツ』記者・邨田直人さんがたっぷりと語り合った対談をお届け。今まで交わることのなかったジャンル同士が手を取り合う、異例の組み合わせで実感した成長を互いに振り返るとともに、邨田さんからスポーツ観戦初心者の周央さんにC大阪ホームゲームの魅力を伝えてもらった。 「ンゴの中では一番成長できたコラボ」 ――まずはお2人それぞれ自己紹介をお願いします。 周央「みなさま~(天下無双)!世怜音女学院中等部1年演劇同好会
2021-22CL決勝レビュー:リバプール視点 5月28日、2021-22シーズンの欧州クラブサッカーシーンのクライマックスとなったCL決勝は、レアル・マドリーがリバプールを1-0で下し14度目の欧州制覇を遂げた。 世界中の視線が注がれた一戦を、レアル・マドリー、リバプールそれぞれの視点で振り返るリバプール編。 レアル・マドリー編はこちら 近年のプレミアリーグで覇権を争っているチームはマンチェスター・シティとリバプールだ。マンチェスター・シティがボールを保持する局面を志向しているのに対して、リバプールは速攻やカウンター、トランジションを志向していた。両チームのキャラの差は思想の対決とも表現され、世界中から今でも注目を集めている。 両チームが対決を繰り返していく中で興味深い現象が起こった。両チームのサッカーが収斂(しゅうれん)していったことだろう。なぜなら、ボール保持、トランジション、ボール
『バルサ・コンプレックス』発売記念企画#6 4月28日に刊行した『バルサ・コンプレックス』は、著名ジャーナリストのサイモン・クーパーがバルセロナの美醜を戦術、育成、移籍から文化、社会、政治まであますところなく解き明かした、500ページ以上におよぶ超大作だ。その発売を記念してTwitterからの論客、tkq氏に書評を綴ってもらった。 「バルサ」という言葉を聞くと、サッカーファンの心に小さくないさざ波が立ちます。バルサファンならもちろんのこと、普段あまりバルサの試合を見ない人にとっても、それは当てはまります。どういう音色を立てるかは各人にとって違うにしても、その響きが特別な意味を持っている、バルサとはそういうクラブなんじゃないでしょうか。 と、なんだかヴェルタースオリジナルのCMみたいな入りになりましたが、バルサがいかにしてサッカーファンにとって特別な存在になったのか、という謎をサイモン・クー
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