「水の多形」(Polyamorphism in water)(和訳:抜粋) 三島修 <図及び文献は原文を参照してください> 最も一般的で重要な液体である水には、4℃でその密度が最大になるという独特な性質がある。このような特性は、水分子間の結合のネットワーク構造が複雑に変化するために生じると考えられる。しかし未だに、我々は水を理解することができない。1984年の高密度非晶質氷(HDA)の発見と1985年の非晶質氷の不連続な体積変化の発見は、1成分の物質に異なる2種類の無秩序な構造が存在すること(多形:ポリアモルフィズム)を実験的に初めて示した。このことは水の見方を変え、「水は高圧低温下で2つの液体に分離する」という新しい考え方の基礎になった。水の特性は、2つの水の相分離点、すなわち液体-液体臨界点(LLCP)の存在によって説明され、この仮説を支持する証拠が現在集まってきている。本