iPhoneの部品や素材の製造元にも派生する 企業へ気候対応を要求しているのは、投資家だけではない。もう一つ忘れてはならないのは、製造業における「サプライチェーン」という観点だ。サプライチェーンというのは、自動車や電気製品などの最終製品ができるまでの、原料から、部品、組み立てまでの全工程のことを指す。 2020年7月、米アップルは、事業全体、製造サプライチェーン、製品ライフサイクルのすべてを通じて、2030年までにカーボンニュートラルにすることを目指すと発表した。もちろん、石油や石炭を扱うエネルギー会社と比べ、iPhoneやITサービスを展開するアップルは、そもそもの排出量が膨大なわけではない。とはいえ、世界の企業がIPCCの評価報告書を基に2050年を目標に掲げるなかで、20年前倒しというのは野心的な目標だ。 「気候変動に対するアクションは、新時代のイノベーションの可能性、雇用創出、持続