勝ち誇るのを見せつけられるというのは、あまり気分のいいものではない。スポーツでいえば、ガッツポーズのはんらんである。 たとえば高校野球だ。塁に出ればガッツポーズ。ホームに帰ればガッツポーズ。喜びの素直な表れなのかもしれないが、年若い少年たちとはいえ、高いレベルにいる競技者がちょっとのことにも大げさなしぐさを連発するのは、いささか見苦しい。指導者たちはそれをよしとしているのだろうか。 スポーツの勝負にはそれなりの礼節が欠かせない。相手のことを思いやり、尊重する気持ちがなければ、白熱の戦いもただの争いごとになってしまう。だが、お互いにこぶしをふりかざして勝ち誇ってばかりいるようでは、そんな気持ちも生まれないだろう。