蛇行動(だこうどう)は、鉄道車両における自励振動現象である。主として直線部を高速で走行するときに、車体や台車、車軸などが垂直軸まわりの回転振動(ヨーイング)を起こす現象であり、上から見て蛇がくねって進むような運動をするため蛇行動と呼ばれる。発生した場合、乗り心地の悪化、軌道や台車・車体への損傷、影響が大きい場合は脱線事故を引き起こすこともあり、とりわけ高速化にあたっては本現象への対策が重要である。 また、本稿では蛇行動を抑制するヨーダンパ等の機構についても解説する。 車輪の踏面勾配 鉄道車両の車輪は円筒形ではなく円錐形のような勾配を持った形状となっており、車輪のフランジ側(内側)の直径は大きく、外側の直径は小さくなっている。このような勾配を車輪踏面勾配と呼ぶ[1]。 また、超低床電車のような車両を除き、鉄道車両では左右の車輪は車軸により固定され繋がる構造となっている。この車輪と車軸の一組を