アブラムシによる被害で針葉樹の枯死に悩まされている北米に向けて、日本原産の甲虫が近く“天敵”として輸出されることが、昆虫学者らへの取材で分かった。この虫は「米国の森を救う勇敢な虫だ」と米国研究者の間で期待されており、「サムライ甲虫」と通称で呼ばれている。大阪で発見された新種であることから、今年中にも「オオサカエンシス」(エンシスは場所の意)と正式に命名されるという。 この甲虫は、米国の研究者と大阪市立自然史博物館の初宿成彦学芸員が協力して平成17年に、大阪府高槻市で発見。アブラムシを食べるマキムシモドキ科の新種の甲虫で、体長2〜3ミリ。従来の同種より体が大きく、多くの卵を産む可能性があるほか、低温の環境に耐えることや、針葉樹のツガに繁殖して被害をもたらしているツガカサアブラムシだけを食べることが明らかになった。 米バージニア工科大学のアシュリー・ラム研究員(在日研究中)らによると、北米では