水口哲也氏が語る,ゲームに共感覚やナラティブを入れ込むことへのこだわり。京都精華大学「クリエイティブの現場」の講義をレポート ライター:大陸新秩序 京都精華大学は2023年5月11日,同大学のキャリア教育科目「クリエイティブの現場」の講義を行った。thatgamecompanyの水谷 立氏による進行で,ゲームクリエイターの水口哲也氏のゲーム作りの考え方や取り組みについて語られた本講義をレポートしよう。 テクノロジーの進化には,感動を深めていく可能性がある 講義の冒頭,水口氏は自身が代表を務めるエンハンスを,「主にゲームを作っている会社」としつつ,「もう少し広く捉えて,非ゲーム分野も含めてエクスペリエンス(体験,経験)を拡張することを目標としている」と説明した。 そうした活動のキーとなるのが「シナスタジア」(共感覚)であり,そのルーツが1900年代のドイツ表現主義の画家であるヴァシリー・カン