A氏は、3月2日に朝日新聞が第一報を報じた5日後、神戸市の自宅マンションで首を吊って自殺した。A氏は〈勝手にやったのではなく、財務省からの指示があった〉などと記したメモを残していたという。 佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問 ©杉山拓也/文藝春秋 A氏の自殺ついて、文書が改ざんされた当時、理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官は、3月27日に行われた国会での証人喚問で次のように述べた。 「本省の理財局と近畿財務局の間で、担当職員であられ、そういうこと(自殺したこと)というなら、それは本当に申し訳ないことだと思っております」 そんな中、A氏の父親(83)が、月刊「文藝春秋」に現在の心境を綴った手記を寄せた。 「なぜわが息子だけが死ぬ必要があったのだろうか――。今、こうして息子の遺骨と二人きりで家にいると、延々と考えてしまいます」 父親は、息子の死から2日後に、病院の一室で遺体と対面した。 「穏や