1.話の要点 今日の夕飯は生まれて初めての一人回転寿司だった。 にぎり寿司をいくつ食べたら、自分は満腹になるか? 私は、このトシになってようやく、その答えを知った。たった11個、である。回転寿司なら5~6皿ということになる。 漫然とすし種を選んでいき、唐突に訪れる満腹感で後続を断たれる「心残り感」も、寿司の楽しみではあった。「またいつか、お寿司を食べたいな」と思う、ひとつの原動力になっていた。しかし、ひとたび5~6皿で自分は満腹になると知ってしまえば、これまでと同じではいられない。 最初の3皿は、これまで通り、心の赴くままに選ぶ楽しみを満喫するだろう。だが4皿目以降は、「あと2皿」を意識するに違いない。「4皿目で盛り上げて、5皿目で渋く着地する」か、「最後まで押せ押せで攻める」か。まだ想像の世界だが、なんだかとても楽しそうだ。 2. カウンター形式の寿司屋は気詰まりである。こちらが何をどん