新島には「抗火石(コーガ石)」という珍しい石が産出する。これは新島とイタリアのリーパリ島のみで採掘されると言われ、新島での埋蔵量は約10億トンと推定されている[1]。軽く、また彫刻刀等で容易に加工できるという性質を持つ。この石を材料として作られたオブジェが「モヤイ像」である。地元の観光協会理事(当時)でアーティスト(こけし彫り職人)の大後友市が考案したもので、新島の「モヤイの丘」など島の各地には多数のモヤイ像が存在する。デザインも、イースター島のモアイ像を真似た形だけではなく、さまざまな形状のものがある。 「モヤイ」はモアイを真似た名前であるが、同時に、日本語の動詞「舫う」(船を綱で繋ぎ留める)や、「催合う、最合う」(力を合わせる、助け合う、共同作業をする、共同で使用する)の意もあり、後者は日本の多くの地方では今では使われなくなった言葉だが、新島では使われているという[2]。 新島は昭和5