日本は1968年、当時の西ドイツを追い抜いて世界第2位になった。その後、2010年に中国に追い抜かれて世界第3位に後退。それから13年がたった23年に第4位に転落した。 GDPが右肩上がりだった高度経済成長期を経験した人の中には、このニュースを聞いて「一つの時代が終わった」という感慨を抱いた人が多いのではないだろうか。同時に、日本よりも人口が約30%少なく、労働時間が経済協力開発機構(OECD)加盟国中で最も短く、休暇日数も世界トップクラスのドイツに抜かれたことを、意外に思った人も多いに違いない。 順位逆転の主因は日独の成長率の差 今回の順位逆転劇について、日本の一部のメディアは「インフレによってドイツの名目GDPが押し上げられた。その一方で、円安・ドル高によってドル建てでの日本のGDPが押し下げられた」と解説した。だが筆者の見解では、インフレや円安は主な原因ではない。最大の原因は、日本が