震災直後のデマ 東日本大震災の後にもさまざまなデマが飛び交ったが、関東大震災のときにもあった。 丸山少年は「恐ろしいうわさ」として次のように書いている。 それから又朝せん人が、ばくだんを投げたり、するそうで、市の方で、けいかいが、げんぢゆうになつたから、こつちの東中野へ来たといふ話だ。ここまで逃げてきて、ばくだんで、やられたら、こなみぢんになるだらう。 と思うと、思はず、身ぶるいする。 私は小学校の社会の時間に、関東大震災の直後には「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」というデマが飛び交った、と習ったような気がするが、丸山少年によれば爆弾を投げるという話もあったようだ。 しかしさすがに冷静沈着な丸山眞男くんもこの話がデマである可能性を考えるところまでには至らなかったのだろう、9歳なのだから無理もない、と思いきや、巻末の「付録」に、ちゃんと次のように記していた。 少し長くなるが引用し