大久保公園北側の路上。女性たちはスマートフォンを手に客を待つ=東京都新宿区歌舞伎町2で2022年6月、春増翔太撮影 東京・歌舞伎町の路上にスマートフォンを手に立ち続ける女性たちがいる。肌を刺すように寒い冬の日も、蒸し暑い夏の雨の日も。辺りが暗くなった頃、どこからか来て、自分の体を買う客を待つ。2022年の暮れ、その姿が一斉に消えた。 歌舞伎町2丁目にある新宿区立大久保公園の周りは、「立ちんぼ」と呼ばれる売春女性が集まる場所になってきた。12月、連日のように何人もが警察に連れて行かれ、「警視庁が売春する女性を年末までに一掃するらしい」と、うわさが流れた。女性たちがいなくなったのは、大規模な摘発があるとささやかれた日だった。 結局、年末年始も公園の周囲は多くの人が行き交い、道際に立つ女性に目を向けた。彼女たちの姿が消えたのは数日間だけだった。 「だってお金ないもん。ユーチューバーとか警察とか増