【ワシントン=古森義久】終戦直後の昭和天皇の姿を描いたハリウッド映画「エンペラー」(邦題「終戦のエンペラー」)が全米各地で封切られた。米国マスコミはその主題の重さから映画の特徴をいっせいに報じたが、その内容は戦争の敗者の日本側にも人間的な光をあて、一部の映画評では、日本側に対して甘すぎるという批判が出るほどとなった。 8日からの週末に公開された「エンペラー」は、日本占領の連合国軍総司令部(GHQ)最高司令官、マッカーサー元帥とその副官のボナー・フェラーズ准将を主人公とし、終戦時の要人の近衛文麿、東條英機、木戸幸一各氏らも登場する。中心に立つのはトミー・リー・ジョーンズさんが演じるマッカーサー元帥だが、知日派とされるフェラーズ准将役のマシュー・フォックスさんも熱演する。日本側でも昭和天皇を歌舞伎俳優の片岡孝太郎さんが演じている。 舞台は敗戦直後の東京で、同元帥が准将に「天皇が開戦にどれほど責