「液晶の次」と言われ続けてきた有機EL。10年近くの黎明期を乗り越え、いよいよ発展期に入った。5月30日号の特集「有機ELの破壊力」では、日中韓台のパネルメーカーや部材メーカーの最先端の動きをまとめた。 まさに「鶴の一声」と言えるほどのインパクトがあった。2015年秋、米アップルがパネルメーカー各社に伝えたこの一言をキッカケに、ほぼ液晶パネル一色だったディスプレー業界の潮目が大きく変わった。先行する韓国勢は投資を加速、中国勢も液晶向けの投資を続々と有機ELへ切り替えるほか、日本のジャパンディスプレイ(JDI)や鴻海傘下のシャープも2018年の立ち上げに向けて開発を急ぐ。 ただ、アップルの方針転換がなくても、遅かれ早かれパネル各社は有機ELの開発に着手せざるを得なかっただろう。実は、アップル以外にも業界の有機ELシフトを猛烈に推し進めた存在がいる。韓国のサムスンだ。 2007年から小型有機E