「自衛隊ってすごい!」――。今回の大震災であらためて自衛隊の活動に舌を巻いた人は多いことだろう。被災地で活躍するその勇敢な姿は、被災者のみならず、日本中の希望として各メディアにこぞって報道された。しかし、震災現場で自衛隊が具体的にどのような活動を行う集団なのかということはこれまであまり知られてこなかった。はたして、震災現場や社会における自衛隊の役割とはどのようなものなのだろうか。過日、『ありがとう自衛隊 ~ヒゲの隊長が綴る日本再興奮闘記~』(ワニブックスPLUS新書)を出版したばかりの元・自衛官、イラク派遣隊長を務めた際は「ヒゲの隊長」のあだ名で親しまれた参議院議員・佐藤正久氏に、知られざる自衛隊の現場について話を聞いた。 ――今回の震災における自衛隊の活動で、佐藤議員が一番印象に残っているものはどのようなものですか? 「行方不明者の捜索ですね。この任務は、生存率が大きく下がる最初の72時