まさに対照的な中間決算だった。ソニーと東芝である。片や復活の狼煙(のろし)をあげるソニーに対し、赤字転落の東芝。その立場の違いは、東芝のリストラ策の一環である事業売却にソニーが応じるという事態をも生んでいる。 かつては中韓勢の攻勢に苦しむ日本メーカーの中にあって、先進的な構造改革で「テレビは黒字」としていた東芝が、ソニーを仰ぎ見る立場に陥った。 株式時価総額、大手電機6社で最大に ソニーが2015年10月29日に発表した2015年9月中間連結決算(米国会計基準)は、最終損益が1159億円の黒字と、前年同期の1091億円の赤字から一気に転換した。中間決算として最終黒字を実現したのは5年ぶりのことというから、この間のソニーの苦闘を端的に示す数字といえる。乱高下する液晶の需給にいまだに振り回されているシャープを除き、大手電機メーカー6社の中で構造改革のシンガリと言われ続けてきたソニーだが、復活へ