沖縄に対するヘイトスピーチにはふたつの側面がある。ひとつは在日韓国・朝鮮人らに対するのと同じマイノリティーへの差別。もうひとつは基地反対運動への政治的攻撃だ。 もともと独立国だった沖縄は、明治初期に日本に併合された。異民族という点では在日韓国・朝鮮人と同じで、さまざまな差別にあってきた。そうした歴史的な差別を克服できていない。 一方で、一九九五年の米兵による少女暴行事件以降、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画が持ち上がり、基地反対運動が持続的に行われるようになると、次第に本土では反発が起きてくる。粘り強い反対運動に業を煮やした安倍政権は、沖縄の民意を無視して辺野古新基地をつくろうとしているが、沖縄は県を挙げて抵抗している。これを快く思わない人に、国策にいつまでも抵抗する者は厄介者、非国民だという意識が生まれ、沖縄ヘイトにつながっている。