【北京=杉山祐之】中国北・中部の小麦生産地帯を中心に大規模な干ばつが広がり、被害を受けた農地の面積は5日現在で約1000万ヘクタールに達したほか、飲料水の確保にも影響を及ぼしている。 胡錦濤・共産党総書記、温家宝首相は「あらゆる力を動員せよ」と指示、政府は1949年の建国以来、初めてとなる「第1級」(最高レベル)の緊急干ばつ対策を発動し、財政省は同日、3億元(約39億円)の緊急支出を決めた。 6日付の中国各紙によると、干ばつは河北、河南、山東、山西、安徽省など広範な地域を襲っている。 一帯の降水量は例年の2割から半分程度に過ぎず、各地の干ばつは「30年に1度」から「50年に1度」と言われる状況だ。北京では昨年10月26日以降、12月に1日だけ0・1ミリの雨量を観測した以外、まとまった雨は降っていない。 被害を受けた農地のうち、約300万ヘクタールは深刻な状況にあり、8万ヘクタール近くですで