木下黄太です。一個人として、できる限り書き続けたいと思っています。組織ではなく、僕個人が、ジャーナリストとしてぎりぎりの戦いを続けています。少しでも、わかっていただける方がいれば嬉しいです。何かお話がある方がいれば、電話番号を明記したメールをいただければお電話します。
原子力安全委員会の班目委員長の夜の会見は気になるポイントはやはり原子炉です。彼は1号機はかなり溶融している可能性を指摘し、、最も危険な状態が継続という認識のようです。圧力の上昇と温度上昇が続いています。もともとの設計だと大体300度想定なのが、すでに一時は400度を上回ったそうです。「炉の破壊を防ぐ検討」という言葉からしても、実はかなりの危険がありうると想定すべきです。圧力もかなり不安定です。というか圧力は上がっています。圧力を下げるためには圧力容器の弁を開けざるおえず、本日中にもその決断をせざる終えないのかもしれないようです。圧力容器が大きく破損する事態になったら、大変な状況ですから、開ける以外の方法はないのでしょう。それは理解できます。しかしながら、当然のことですが、水蒸気に混じってある程度、濃度の高い放射性物質が多く出ることは間違いありません。きのう書いた、水道水や食品にまつわる危惧は、良い方向に動く可能性はさらに低くなったと私は思います。多分、きょうの作業はぎりぎりの判断なのだろうと僕は思います。うまくいけばよいのですが。現在のところ先ほどの保安院の会見によれば、一号機はかなり圧力が変化し始めているようですので、少し様子を見るのかもしれません。ただし安心は出来ないと思います。温度と圧力の微妙なバランスは続いています。ちなみに、三号機は黒煙がとまっているようです。こちらも微妙な状況です。
原子力安全委員会の委員長が今回の事態を受けて、これまで公の場で発言を初めてです。本当なら事態が掌握されつつあるので、委員長が出てきたと好意的に解釈したいところですが、会見の内容を聞いていると、原子力政策全体が、元々大きく間違えていたのではないのかという思いを強くするばかりです。国民に対して安全を説くこともろくに出来ず、どうやら混乱する官邸とともになすべきことを見失っている様子がよくわかります。原子力の政策にまつわる知見を決定的に有しているという人々が、このレベルで絶対安全というワードを錦の御旗に掲げ続けていたことに驚愕するばかりです。
さらに注意しなければならないのは、この人たちがきちんとした形で最悪想定をたてているのか。さらに、たてている最悪想定をきちんと国民にオープンにする担保があるかどうかが、きちんとわからないということです。原子力安全委員会は、昨夜、はじめて放射性物質の拡散予測の試算を公表しています。被曝線量を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」によるものですが、半径30キロの屋内退避の外、おそらく40キロのエリアでも、100ミリシーベルトを超える内部被曝の可能性を示唆しました。下記に文書のリンクをはっています。もちろんきわめて厳しい条件(発生からずっと外に居る)で計算しているので、通常はこうはならないと話していますが、厳しい条件とはいえ、100ミリシーベルトという被曝線量が、あわせてですが、カウントできる状況というのはというのは僕には、驚きです。僕は東海村の臨界被曝事故の際に、発生二時間後から現地入りをして、夕方まで東海村周辺で取材し、夜は一旦水戸まで退避しましたが、翌日すぐに、東海村に戻り、二週間以上現地におりました。僕の被曝総量は、政府による後の推測計算でも、総量は1ミリシーベルトにも満たないものでした。このときは、このくらいでもぎりぎりの判断を迫られた記憶があります。僕は元々、緊急事態を踏まえて全面的に100キロ圏外に退避することを主張していますが、この被曝のような状況があるのであれば、今すぐに、50キロ圏の住民をなぜ政府が退避させないのか、僕には全く理解できません。思っている以上に周辺にも被曝は広がっています。ただちに健康被害は出ないということと、将来にわたっても大丈夫だと政府が担保しているわけではないということです。事態が本当に切迫して、どうにもならなくなるまで、恐らくは、明確に全ての情報がオープンにされる訳ではありません。政府が判断していることが、絶対に大丈夫といえることは無いと思います。官房長官が自らが、楽観的な報道をしている向きもあるが今後の推移はわからないと発言しているのは、ぎりぎりの感覚の中で、枝野氏は発言しているとは思います。ある意味、「思考停止」していて、国民本位の感覚を喪失しているマスメディアよりもまともかもしれませんが。もちろんだからといって現政府がまともとはいいません。特に「山は越えた」発言の菅総理は論外です。
http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdf#search='SPEEDI'
後、気になるのは正門付近で、中性子線が、12日から14日に計13回検出されていたそうです。東電は観測データの計算ミスで、わずかな量だったと説明はしていますが、中性子線は決定的なメルクマークなのでさらに注意したいと考えています。
被災地の痛みや危険を理解してるとは到底思えません。
今のところ必要ないではなく、最悪の場合を想定して採取するのは当然の事だと思います。
現地に出ていない方々は考えが甘いのではと思います。
安心して作業ができるよう、家族が安心して送り出せるよう、最善を尽くしてほしい。
何かあった場合何処まで保証をできますか?
何かあった場合また言い訳をするのですか?
扱いが酷いと感じるのは私だけでしょうか。先が見えない、保証の無い作業なのですから、今大丈夫、ではなく最悪の事を仮定してください。ご自分達の力を過信しないでください。
命を軽くみないでください。作業している方その人は一人です。お金で解決させようは卑怯です。
すべての人に安心を与えてください。責任を果たしてください。曖昧な情報ばかりを流さないでください。お願いいたします。私は彼らにそう訴えたいです。