ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

「エピソード3」をやっとこさ見た

2005-09-15 00:34:44 | Weblog
なんという悲壮感
自分の能力を過信しすぎた実は凡庸で、甘く、決して賢者ではなかった青年の悲劇。
物語のすべてがひも解かれるにつれ空しく悲しい。
シリーズ最終章の期待感を満足させるには足る物語だったと思う。

民主主義がどのように衰退していくのか?今の日本やアメリカに通じるようなテーマ性も気に入った。
自分の影響力を示し続けるためにあえて、いや自分で火を付け回ってまでも戦争状態を続ける為政者。その欲望の果ては・・。

まるでどこぞの国の大統領のやり方をダブらせたところはこの映画に最高の深みを出していた。

「オーダー66を」連発していくダース・シディアスのシーンは、もしかしてお笑いを狙っているのか!?そんな簡単にジェダイたちを処理しないで欲しかったが、
それは簡単に民主主義を捨てた後の祭りよ!といった具合の切り捨てぶりだ。
ここは心したいところ。

女性の感想でよく聞くけれど、パドメが男に依存した、ただの弱い女に成り下がってしまった!というのは確かに残念だったところ。
男並みに体を張り、女王として、また現在も元老議員として活躍しているはずの強い女性像はいったいどこへ、民主主義の危機である時でも自分のことで精一杯なの?あのアミダラが・・美しさも半減・・。

アナキンとオビワンの関係は本当に悲しい最後なのです。
旧三部作につながる後半はまさに感無量であります。

アナキンがパドメの妊娠を聞き「人生で最高の幸せな時だ・・」というシーンは泣けるのだ。
そうだなー3はいい物語だと思うから、1,2をくっつけてエピ1。3はエピ2とエピ3に分けてもっと丁寧に描いてくれたら新三部作はより伝説的な作品になったのではないかな~。1,2も俺はイマイチに思ってたから。

見終わって映画ロードオブザリングは改めてすごい作品だったなあ、なんて思ってしまうのだ。ルーカス人間描くの下手だよねえ。

最後に政治目線でもう少し、
イラク後のアメリカで2大巨匠が描いた作品「エピソード3」と「宇宙戦争」。
これらの映画では「国のために命をささげよう!」なんて愛国的な主人公は登場しないところが興味深い、なんて誰かが新聞で書いていた。

テロへの不毛な戦いのもと、愛国法まで認めて国を挙げて立ち向かっているらしいアメリカ。
そんな中、映画ではたしかにアナキンは自分の家族のために国や仲間を裏切る。
宇宙戦争のトムクルーズなんて信じられないくらい他人を差し置いて自分の家族だけを守りまくる!
それはもう正義もくそも無いくらいで今までのヒーロー像には無い行動。
まさか、そのとおりの姿をカトリーナで現実に見るとは思わなかったけれど・・。
そんな国とのかかわりを描いて見せてる。

エピ3にあるように愛国なんてことに騙されるな!銀河皇帝を作ったのも国民自体であったのだ!という描き方はバランス感覚の聞いたハリウッドの賢いところと思いたい。映画で社会に影響を与えていくってすばらしいことだよ。でもそこんとこ、アメリカ人はちゃんと読み取ってんのかな~?

絶叫「選ばれし国だったのに~!!」byオビワン
コメント
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