読売新聞によると、【犯罪被害者基本法の施行を受け、具体的な計画作りを進めている政府の犯罪被害者施策推進会議の検討会は25日、第9回会合(非公開)を内閣府で開き、基本計画案に、事件・事故の被害者を実名で発表するか匿名とするかの判断を、警察に事実上委ねる内容の項目を盛り込むことを決めた】という。同紙は、【「匿名社会」が広がりを見せる中、被害者側の同意がない限り、警察が実名を発表しないというケースが一段と増える可能性が強い。】と懸念している。まさにそのとおり。この件については、メディアが一丸となって実名発表を求めなければならない。以前にも書いたとおりだ。
公務員に対して厳しい目が向けられている中、警察官の不祥事、警察組織の不祥事も相次いで報道されている。それにもかかわらず、こういう基本的な情報開示について警察に判断を委ねることを是とする発想は、なぜ、生まれるのか?権力に対しては常に性悪説で臨むくらいでちょうどいいはずだ。警察が事件の当事者の氏名を発表しないということは、そのような被害が本当にあったのかどうかのチェックすらできないということだ。
幸い読売新聞社長も【新聞が抱えるもう一つの重要な問題は、捜査機関を中心とした公的機関の発表の匿名化だ。4月に全面施行された個人情報保護法について、政府、地方自治体が誤った解釈を下し、同法を大義名分にして情報を出さない傾向が強まっている。特に市民生活に大きな影響を及ぼす警察など公権力機関が匿名情報しか発表しないとなれば、権力に対する新聞のチェック機能が働かなくなる。こうした社会は健全とはいえない。】と話しており、この点では各社共通認識が持てそうだ。何とか押し返してほしい。
もちろん、実名で発表されたものを匿名で発表する配慮がこれまで以上に求められるのは当然であり、新聞協会の意見に示された決意を実行に移すことは不可欠ではある。個人的には、匿名報道を原則とするべきだと思う。
公務員に対して厳しい目が向けられている中、警察官の不祥事、警察組織の不祥事も相次いで報道されている。それにもかかわらず、こういう基本的な情報開示について警察に判断を委ねることを是とする発想は、なぜ、生まれるのか?権力に対しては常に性悪説で臨むくらいでちょうどいいはずだ。警察が事件の当事者の氏名を発表しないということは、そのような被害が本当にあったのかどうかのチェックすらできないということだ。
幸い読売新聞社長も【新聞が抱えるもう一つの重要な問題は、捜査機関を中心とした公的機関の発表の匿名化だ。4月に全面施行された個人情報保護法について、政府、地方自治体が誤った解釈を下し、同法を大義名分にして情報を出さない傾向が強まっている。特に市民生活に大きな影響を及ぼす警察など公権力機関が匿名情報しか発表しないとなれば、権力に対する新聞のチェック機能が働かなくなる。こうした社会は健全とはいえない。】と話しており、この点では各社共通認識が持てそうだ。何とか押し返してほしい。
もちろん、実名で発表されたものを匿名で発表する配慮がこれまで以上に求められるのは当然であり、新聞協会の意見に示された決意を実行に移すことは不可欠ではある。個人的には、匿名報道を原則とするべきだと思う。
マスコミが警察権力の監視に動く必要性は認識してるつもりです。
ですから、警察に完全実名を求めるのも理解できない事は無いのです。
しかし、マスコミの醜態を見るに「こいつらは実名報道を放送の権利の前に『飯のネタ』程にしか思ってないんじゃないか?」と思うのですよ。
マスコミが本当に報道被害に責任を持ち、また、積極的にマスコミ内部で実名報道、匿名報道の有り様を議論して初めて警察に実名報道を求める事が出来る。
現状ではあまりにも無様過ぎないか?
と、まぁ、私はこんなスタントであります。
いろんなBlogが様々な角度からこの問題を分析している事に頼もしさを感じます。勉強にもなります。
では、いきなり長文失礼しました。
本職の方の貴重なご意見が拝見できまして、大変参考になります。
将来的には、匿名の判断はメディア側でされることが理想であると考えていますし、
『権力に対しては常に性悪説で臨むくらいでちょうどいいはずだ』とのお言葉も全面的にとは言いかねますが納得できるものだと思います。
ですが、
『こういう基本的な情報開示について警察に判断を委ねることを是とする発想は、なぜ、生まれるのか?』
と尋ねられれば、警察以上にマスメディアが信用されていないからでは、と答えるほかはありません。
マスメディアによる報道被害が多発し、メディアの取材姿勢に非難が多数寄せられている現状
朝日新聞のサンゴ事件や長野での田中・亀井会談でっちあげ事件など、警察組織に勝るとも劣らない不祥事の数々
そういったメディアの間違いの積み重ねが現状を招いていると言っても過言ではないと思います。
また、一般国民にとってはマスメディアも権力の一つであり、性悪説で臨むべき対象になっていると思われます。
その辺りをメディアサイドが自覚し、健全で被害者への配慮を伴った報道に心がけ、それが国民に認められれば、
自ずとメディアに対する信頼は回復し、公権力に対するチェック機関としての期待も高まるでしょう。
また、メディア批判をしている多くの人が、マスメディアに対してそういう存在であって欲しい、そうなって欲しいと言う期待を抱いていると思いますし、
少なくとも私はそう期待しています。
長々と失礼いたしました。
貴方様の報道に対する真摯な姿勢に敬意を表し、今後益々のご活躍をなされることをお祈りいたします。
ただし、メディアの不祥事が警察の不祥事と同じレベルで議論されるのは、警察の不祥事の実態に目を塞ぐことになりませんか?
この点は、あえて、強調したいところです。
メディア批判に使われているネット利用者の力が警察批判に向けられたら、例えば裏金疑惑とかがもっとあちこちで追及されることになるように思います。