v6くるくる日記

「幸せな社会のための技術を語りたい?」日記

政治家って・・・

2008-04-07 23:18:35 | Weblog

最近、とある代議士の方の勉強会に参加するチャンスがあった。ITベンチャーの社長10人ばかりとお役所の方とで、総勢15人ぐらい。ケータイフィルタリングなどが話題となった。この他、三菱総研出身の橋本代議士(龍太郎氏のご子息)もIPv6普及啓蒙のお付き合いから私はよく存じ上げているし、このたび倉敷市長選にはIPv6関連でご尽力いただいた総務省出身の伊東かおりさんが立候補されるという。

その全員に共通して言えるのが、優秀で人格的にも素晴らしい、というものだ。おまけに勉強熱心で物事をよくわかっておられる。公開ブログだからお世辞を言っているわけではない。本当にそう思う。

ところが、これがTV、新聞から見える政治家や政党というとその評価は一変する。既得権益死守が丸見え政策の自民党に、ポリシーがなくなんでも政争の具にしてしまう民主党。日銀総裁選の空席がどう国際的に評価され、それがどう日本経済に影響するかを考えるよりは、まずは自民をつぶすことに専念している民主党を見ていて、「どっちがダメ度が少ないか」が投票の基準となりつつある来るべき衆議院選挙で、投票したい政党もなくなってしまった、という人も多いのではないか。一方、素人目線の素人政治家にも注目が集まっているが、宮崎県知事のような成功例(TVで見る限り?)はあるものの、大阪府知事のように素人らしい不注意さのせいで、うまく回し切れない例もある。

ちょっと前に太田経済担当大臣が日本の経済は二流と言った。しかし、トヨタを筆頭とする大企業から特殊技術で世界シェアを制覇している中小企業群まで民間企業がいくらがんばったところで、日本国という評価が不安定であれば、外国から株式市場にお金が流れ込んでこない。経済も二流なのかもしれないが、問題は政治が三流以下ということなのだ。

この政治家個人の素晴らしさとのギャップ、これがどうにも不思議である。

ひとつには集団というものの性質によるのかもしれない。優秀な個人が集まったからといって、そのまま優秀な集団ができるわけではないのだ。これって大企業やお役所によく見られるパターンだ。なんでそういう判断何だろうと思われるものも、よくよく聞くと、数多くの妥協で仕方ない判断なんだということも同時に理解できることも多い。その分、あるべき方向性とか大局観、シャープさが失われた判断になってしまう。おそらく本来は、制約条件のいくつかは切り捨て、それを乗り越えないと本当にあるべき方向にはいけない。逆にいえば、何か判断する時には、物事の優先度を明確にし、一貫性を持たせ、判断の際にはある種の犠牲はやむを得ないとして、決断しなければいけないということだ。

これを実現するためには組織のガバナンスが重要となるが、よく考えてみると、政治もお役所仕事もこういった決断がきわめて難しい「仕掛け」になっているのがわかる。政治家は当選しないと活躍の場はなく、そのためには地元の票を集め、人気とりをしないと当選しない。役所は国のため、国民のため、広く意見を聞き、あまねく業務遂行していくのが役目であるがゆえに、どこかを切り捨てるということを明示的に推し進めていくことは極めて困難である。

おそらくこの辺の構造をよく理解していたのが小泉元首相なんだろうと思う。国民に対し、国民自身への痛みを説明しつつも改革を進めていった。改革の中身については賛否両論あるだろうが、改革の推進のさせ方については見事であった。

こういう政治リーダが出てくるかどうかはわからないが、仕組みとして実現するなら大統領制のようなもの、それを有効に生かすためには国民全体がもっとレベルアップすることが必要だ。これを1億人国民という規模レベルでやるのが難しいとすれば、今議論されている中途半端な道州制ではなく、もっと抜本的な自治権限を認めた道州制を推進するのもよいだろう。民衆が自分たちの地域の全体利益を考え投票できるサイズの自治単位、というのがポイントだろう。

マスコミについても書こうと思ったが、今日はこのへんで。

 


2008年始にあたって

2008-01-10 00:00:33 | Weblog
2008年になりました。しばらく日記書いていませんでしたが、今年はちょっと頑張って、月1回ぐらいは日記を更新していこうと思います。

さて、2007年ですが、何といってもわれわれのIPv4アドレス枯渇の問題提起にはじまり、世界中での問題認知、日本では枯渇問題の分析が進みました。このへんの事情は追って日記で書くことにしましょう。とにかく、なかなか進まなかったIPv6への歩みですが、IPv4アドレス枯渇というきっかけによって少し明るいシナリオが見えてきました。

一方で悲しいこともありました。年末にitojunさん(萩野純一郎さん)を失いました。Kame Project他多彩な活動を通じて、IPv6の普及発展を世界レベルで引っ張ってくれました。彼がいなければIPv6もここまできたかどうか。大事な同士を失ってしまいました。。。

IABの2年間、かなり体力的にも精神的にもきびしかったらしいですね。「健康なひとでも壊れると思いますよこれ」と彼自身が日記で述べています。能力もあり、責任感もある彼に必要以上の重荷を背負わせてしまったのではないか、そんな気もしなくありません。 彼の遺志をついでIPv6を普及させ、それでよい幸せな世の中をつくっていくのが残されたわれわれの役割だろうと今さらながらに思います。

彼の日記から引用します。
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わたしたちはなんで夜も寝ずにhackをするんでしょう? わたしたちはなんで研究するんでしょう?
多分、自分の思い描く「素敵な世の中」を実現したり、あるいは「みんなのしあわせ」を実現したりするためだと思うのですよね。
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さて、話は変わりますが、itojunさんは今年の春ぐらいまでIIJにいたのですが、そのIIJの浅羽さんが「イノベーションインスティテュート」という企画を出されています。日本発の技術やアイデアによる新事業創を目的とした研究機関を立ち上げられるとのこと。

時代の変革期であることも明らかで、またこれだけ国内にブロードバンドインターネットが普及しながら、それでもなかなか日本からイノベーションが起こらない、このへんのもどかしさを一掃したいということなのでしょうかね。まあ、われわれのネットコアもまさに同じ志をもってやっていますから、うまく連携して日本初イノベーションを実現したいものです。



食の安全あれこれ

2006-07-13 01:48:17 | Weblog

先日、スーパーで菓子パンを買った。持って帰って食べようとしたら、賞味期限が一日過ぎていた。さっそく、スーパーに代えてもらいに戻ると、。。。実は、よく見ると賞味期限は一ヶ月先の一日前だった。単に私の勘違い。ちょっと恥ずかしかった。

が、今までの常識だとパンの賞味期限ってせいぜい1週間ぐらいじゃなかったかな? 売れ残りは丸々その小売の損失になるかと思うと、供給側にとっては、きっとこの超長期長持ちパンは画期的なイノベーションかもしれない。同じ120円でも利益率は抜群にいいはずだから。でも、これってどういう防腐剤が入ってるんだろう? 消費者としては二度と買いたくないと強く思った。

ということで、この話を知人にしたら、世の中の食料品はそれどころじゃないらしい。教えてもらったのはこのサイト。腐ったまま野ざらし貯蔵してある中国野菜に、ある薬品をかけるとたちまち新鮮で店頭に並べられるということらしい。まったく恐ろしい世の中だ。ほぼ毎食外食の身だが、何を食わされているかわかったもんじゃない。

一方で、みなさんはイシイのハンバーグをご存知だろうか。ああ、あの給食の安い奴。。。何か怪しいもの入っているんだろう?とお思いの方、認識を新たにする必要がある。まずはOPEN ISHIIというサイトをちょっとだけでも見ていただけないだろうか?

実は石井食品はトレサービリティを徹底的に追求して、それをオープンにしている会社なのだ。われわれが買ってきたハンバーグのパッケージの個体について、その生鮮材料の情報、原産地・加工地、収穫日(月)/製造日、農薬や抗生物質の残存の有無、遺伝子組み換えの有無などがすべてわかる。なんでもケチャップとか、醤油とか加工品として仕入れているものも、そういう情報がオープンにできるものを使っているらしい。

もう少しこういう取り組みが世の中に知られ、追随するような業者が多数出てきてもいいんじゃないかなと思う。石井食品の場合は現在のブランドイメージが決してよくないと感じるので、きちんとブランド名を変えて、宣伝をしたらどうだろうか?(余計なお世話かな


私立校に行かせる意味

2006-07-01 09:46:06 | Weblog

某友人on Mixiが「娘は公立でいい」と書いておられた。

まったくの余計なお世話だけれど、(友人だからあえて言うとすれば)もし万が一、ご自身が公立でよかったから公立という根拠だけなら、一応、ご近所の方の話なども聞いて、再検討だけはしてみたほうがよいと思うな。少子化とかいろんな要因があり、学校の環境は昔と明らかに変わっている。もちろん、公立の小中学校でもよいところもあるし、その辺は住んでいる地域にもよるので、一般論は意味がないけど。

一方、私立だからといっていいところばかりでもないのは事実。が、私立=お受験で詰め込み、公立=のびのび、というのはどうも違う気がする。

ひとつ言えるのは私立にはたいていポリシーがある。きちんと礼儀をしつけるのだとか、自由に創造性を伸ばすとか、勉強を詰め込んでいい大学に入れるとか、海外との交流を大事にするとか。私立を選ぶということは実は、ご両親がこのポリシーを選ぶことだと考えている。

ちなみに私の高2の息子は高校まで一貫の私立にたまたま入ってしまったが、好きなことを伸ばすという校風ですごくよかったと思っている。変わった奴で、好きなものが数学をはじめとして科学一般、あとピアノ。大学入試も近いのに、入試に関係ない数学書を読んだりしている。一方、運動は苦手なようで、休日はあまり外にもでない。平均よりだいぶ偏っていると思う私自分よりさらに偏っていると思うが、これも彼の人生。まあ、応援してやろうと思う。


サッカーワールドカップと日本人の気質

2006-06-23 23:36:24 | Weblog

私は正直サッカーはよくわからないが、ワールドカップの日本チームの一次リーグ敗退をみて感じたのは、最近の日本人気質について。僕らの世代とか、おそらくその下の世代には、「こだわる」のも「がんばる」のもダサい、「かる~いノリで要領いい」のがカッコイイ、そういう雰囲気が結構ある気がする。

韓国は何でも負けると、大いにくやしがり、時に声をあげて泣く。そういう国民性だ。オーストラリアもラグビーのようになりふりかまわず体をぶつけてきて、攻める、守る。決してかっこよくない。一方、日本は初戦でもほぼ勝ったと思ったところを同点にされて、しばし茫然自失となった。これらの国なら同点にされたら、一層闘志を燃やし、より集中したに違いない。おそらく野球よりずっとスキが許されず、ゆっくり立て直しも利かないこのスポーツにおいて、技術的にはともかく、その闘志、勝利に対する粘着性が、大事な得点、失点の分かれ目となるのではないか。

日本人の粘着性のなさとかはいつのころからなんだろうか? 私は「巨人の星」とかで育ったが、その主人公、星飛雄馬なんて腕を壊しても、半生通じて、野球と巨人に粘着している。努力が尊ばれ、努力の先に幸せがあると信じられていた時代だ。今はなんか大事なものを落としてきた気がするのは私だけではないだろう。全力を出して負けた後、ピッチで10分動けなかった中田選手にみんなが感動するのも、その「大事なもの」を中田選手が示してくれているからではなかろうか。

ところで、全く別の視点。ジーコ監督には賛否あるようだが、私はその戦略には共感するところがある。トップダウンの全体戦略だけでなくて、個々のプレイヤーの自立的創発性をのばすことを目標とする。サッカーのような競技での一瞬の判断に基づいてチーム全体での意外性を創出するのに、最適な考え方に思えるからだ。一瞬を争うような時間軸とは違うが、私の会社のような研究開発の組織には学ぶところがありそうだ。