v6くるくる日記

「幸せな社会のための技術を語りたい?」日記

1989年発行のNewton別冊を発見して

2006-07-23 02:25:19 | IT社会論とでもいうべきもの

ちょっと書棚を整理していたら、1989年に発行されたNewton別冊「21世紀はこうなる」というのがでてきた。個人用のチューブで行き来する未来都市とか、宇宙への進出だとか、人口比率の変化のトピックとか、まあ書いてありそうなことが書いてある。

で、通信については。。。。。
いわく、「マルチメディア切り札、統合ISDN網であらゆる種類のトラフィックを統合的に、効率的に配信できるようになる・・・」 いたたー。
「電話も進化する。」 テレビ電話、会議電話、自動車電話・・・といろいろ写真やイラストつきで。自動車電話とかはステアリングの中央部に電話機が内蔵されている(笑)。しかし、さすがに「電車の中でメール、ゲームやってたり、音楽きいてたり」、「コンビニで支払いしてたり」がないのは仕方ないにしても、どこをみても単に「歩きながら電話」というシーンのかけらもない。いたたー!

たった、10年ちょっとだゾ。故竹内均先生のイマジネーションがそんなに貧困だったということもないのだろう。むしろ、本当にこの分野が想像も付かないように進んだのだと思う。googleなんて単なる優秀な検索エンジンと思っていたのは、ついこないだのことだ。

この世界で仕事をしていると結構、変化が連続的なんだけど、ふと15年前を振り返るとすごいギャップがある。このNewton特別号が編纂された80年代後半と言えば、私が入社したころ。思い返すと、インターネットのメールやニュースでは、漢字も使えず、Roma-jiか、Englishで書いていた。それでもアメリカにいる研究者とかに一日後にコンタクトできるメディア(エアメールなら1週間)に素朴な驚きを覚えたものだ。

さて、これから10年、15年どういう変化が起こるのか。いや、われわれが創っていくのか? つくづく面白い時代に生まれて幸せだと思う。

 


食の安全あれこれ

2006-07-13 01:48:17 | Weblog

先日、スーパーで菓子パンを買った。持って帰って食べようとしたら、賞味期限が一日過ぎていた。さっそく、スーパーに代えてもらいに戻ると、。。。実は、よく見ると賞味期限は一ヶ月先の一日前だった。単に私の勘違い。ちょっと恥ずかしかった。

が、今までの常識だとパンの賞味期限ってせいぜい1週間ぐらいじゃなかったかな? 売れ残りは丸々その小売の損失になるかと思うと、供給側にとっては、きっとこの超長期長持ちパンは画期的なイノベーションかもしれない。同じ120円でも利益率は抜群にいいはずだから。でも、これってどういう防腐剤が入ってるんだろう? 消費者としては二度と買いたくないと強く思った。

ということで、この話を知人にしたら、世の中の食料品はそれどころじゃないらしい。教えてもらったのはこのサイト。腐ったまま野ざらし貯蔵してある中国野菜に、ある薬品をかけるとたちまち新鮮で店頭に並べられるということらしい。まったく恐ろしい世の中だ。ほぼ毎食外食の身だが、何を食わされているかわかったもんじゃない。

一方で、みなさんはイシイのハンバーグをご存知だろうか。ああ、あの給食の安い奴。。。何か怪しいもの入っているんだろう?とお思いの方、認識を新たにする必要がある。まずはOPEN ISHIIというサイトをちょっとだけでも見ていただけないだろうか?

実は石井食品はトレサービリティを徹底的に追求して、それをオープンにしている会社なのだ。われわれが買ってきたハンバーグのパッケージの個体について、その生鮮材料の情報、原産地・加工地、収穫日(月)/製造日、農薬や抗生物質の残存の有無、遺伝子組み換えの有無などがすべてわかる。なんでもケチャップとか、醤油とか加工品として仕入れているものも、そういう情報がオープンにできるものを使っているらしい。

もう少しこういう取り組みが世の中に知られ、追随するような業者が多数出てきてもいいんじゃないかなと思う。石井食品の場合は現在のブランドイメージが決してよくないと感じるので、きちんとブランド名を変えて、宣伝をしたらどうだろうか?(余計なお世話かな


IPv6素朴な疑問集その10 「IPv4アドレスは本当はなくならないのでは??」

2006-07-03 11:10:16 | IPv6

旧クラスAなどの使われていない空間を回収して使えば枯渇しない、オークションなどの策を講じれば経済理論に照らして考えて枯渇はない? 本当でしょうか? 今回は池田先生の記事のトラックバックとして反論してみようと思います。
#池田先生の記事からだいぶ時間が立ってしまっていますが。。。。

枯渇しない派には2つのポイントがあるようです
・NATがあれば枯渇はなし
・アドレス空間の回収をすれべ枯渇はなし

前者は、現状の割当量の伸びはNATを前提としても進んでいるという現状を鑑みるに、ほとんど議論の余地はありません。NATは今まで十分に延命には貢献しましたが、これ以上差し込むところがない以上、貢献しえません。ここでは後者のアドレス空間の回収で枯渇が防げるか、ということに焦点をあててみましょう。

旧クラスAなどの使われていない空間を回収して使えば枯渇しない、オークションなどの策を講じれば経済理論に照らして考えて枯渇はない、池田先生以外にもこういう論客は結構いらっしゃるようです。理論的にはありうるかもしれませんね。その理論が机上で成立するのかどうかについては議論する気はありません。

私のポイントは理論と実践は違うということです。例えば、クラスAの回収を行い、オークションをやるというような決定を誰がするのでしょうか? 

この決定はいわゆるインターネットガバナンスと呼ばれる枠組みで行われています。私はアジア太平洋地域における会議の議長を、この仕組みができてから昨年まで6年間やってきました。この会議には誰でも参加ができますし、誰でも何でも意見を言えます。オープンな会議でいろんな人が自由な意見を交換し、ラフコンセンサスとして意思決定していきます。決して、権威あるところがトップダウンに決めているわけではありません。なるべく多くのステークホルダにとって幸せで、運用可能な方法をラフコンセンサスとして形成していきます。

もちろん今までもそういう議論の場で、回収議論は何度も何度も行われてきています。議論の合意事項としての施策により、できるところから少しずつ回収は行っていますが、一方で運用コストを含めた回収の難しさは十分に認知されています。現在、NATと同じようにすでにできることはやった上でも、現在割当量が増えてきて枯渇時期が近づいています。これ以上に完全な回収するにはJANOGのメーリングリストで某氏が主張していたように「IPアドレス税」的なものを導入するなど、ドラスティックな対策を立てる必要があります。

さて、アドレスをもっと強制的に回収してIPv4を延命させたい人はどうすればいいのでしょうか? 国など権威ある組織がインターネットをガバナンスしているのであれば、そういう組織に対し、マスコミなどで声をあげるだけでもよいかもしれません。そうではなく、インターネットのルールはさまざまなステークホルダーの合意制なのだから、そういう意見とか意思があるのなら、しかるべき場に提案するなど、評論家ではなく、一人称で具体的な提案をもって行動しないことにはインターネットガバナンスは動きませんし、枯渇も止まりません。繰り返しになりますが、強制的回収が不可能だとは言っているのではなく、それを主張する人がルール作りのオープンな場に登場していないから、強制的回収は起こりえないと言っています。

最後に、「枯渇するのか?」という表題にそくして回答するとすると、現在のコミュニティのラフコンセンサスとしては
・回収はできる範囲で努力することを前提に
・IPv6への移行をきちんとする
という流れになっています。これが現時点でのみんなの総意ということです。よっぽどIPv6が進展しないとかない限り、この流れが変わることなく、IPv4アドレスは枯渇するだろう。これが現在の状況です。

 


私立校に行かせる意味

2006-07-01 09:46:06 | Weblog

某友人on Mixiが「娘は公立でいい」と書いておられた。

まったくの余計なお世話だけれど、(友人だからあえて言うとすれば)もし万が一、ご自身が公立でよかったから公立という根拠だけなら、一応、ご近所の方の話なども聞いて、再検討だけはしてみたほうがよいと思うな。少子化とかいろんな要因があり、学校の環境は昔と明らかに変わっている。もちろん、公立の小中学校でもよいところもあるし、その辺は住んでいる地域にもよるので、一般論は意味がないけど。

一方、私立だからといっていいところばかりでもないのは事実。が、私立=お受験で詰め込み、公立=のびのび、というのはどうも違う気がする。

ひとつ言えるのは私立にはたいていポリシーがある。きちんと礼儀をしつけるのだとか、自由に創造性を伸ばすとか、勉強を詰め込んでいい大学に入れるとか、海外との交流を大事にするとか。私立を選ぶということは実は、ご両親がこのポリシーを選ぶことだと考えている。

ちなみに私の高2の息子は高校まで一貫の私立にたまたま入ってしまったが、好きなことを伸ばすという校風ですごくよかったと思っている。変わった奴で、好きなものが数学をはじめとして科学一般、あとピアノ。大学入試も近いのに、入試に関係ない数学書を読んだりしている。一方、運動は苦手なようで、休日はあまり外にもでない。平均よりだいぶ偏っていると思う私自分よりさらに偏っていると思うが、これも彼の人生。まあ、応援してやろうと思う。