【例題】Aの生年月日は平成10年9月28日である。Aは、平成30年6月1日夜間に無人店舗内へ侵入して現金10万円を窃取したところ、平成30年9月1日、この侵入盗の被疑事実で逮捕された。
[行為時主義と処分時主義]
・刑法は「過去の行為への責任を問う」から、行為時主義が採用されている。もっとも、少年法にも例外的に行為時主義を採る例がある。□コンメ46-47〔守屋克彦〕、コンメ83 . . . 本文を読む
[保護処分の一つとしての保護観察]
・少年法24条1項1号は保護処分の一つとして「保護観察決定」を用意する(更生保護法48条1号が規定するいわゆる「1号観察」)。5種類の保護観察のうち、1号観察は約半分を占める(pp6-7)。
→平成27年の終局決定別既済人員では、終局決定の総数96,328人のうち、検察官送致4,556人/保護観察18,320人/少年院送致2,777人/不処分16, . . . 本文を読む
[事例]17歳のX女はA男と婚姻した。X女には父Yと母Zがいる。
・X女が強制わいせつの被害に遭った場合。
・X女が略取誘拐の被害に遭った場合。
(0)現行法の婚姻適齢は男18歳・女16歳であり(民法731条)、成年年齢は20歳とされる(民法4条)。平成8年の民法改正案要綱は婚姻適齢を女も18歳とし、平成21年に法制審議会は成年年齢を18歳に引き下げるのが適当とした。もっとも . . . 本文を読む
2019-11-12追記、2023-01-18追記(前文削除)。
【例題】小学6年生のA男は、コンビニで食品を窃取したところを店員に現認され、警察官に補導された。
〔関連法令等〕少年法・少年審判規則、児童福祉法・児童相談所運営指針、少年警察活動規則(←警察法、警察法施行令)、警察官職務執行法、
[触法少年の意義]
・触法少年は「14歳に満たないで刑罰法 . . . 本文を読む
本年11月2日より、法務省(刑事局、矯正局、保護局)は「若年者に対する刑事法制の在り方に関する勉強会」を実施している。選挙権年齢が18歳からに引き下げられることに対応し(平成28年6月19日施行)、少年法適用年齢も18歳未満までと引き下げる必要がないか、という議論が背景にある。
日弁連は引き下げに反対している。公表されているパンフレットはよくまとまっている。
[少年非行の現状] . . . 本文を読む
備忘メモ。逆送された少年が刑事裁判を受け、55条移送決定が出た場合。ちなみに平成25年度の司法統計だと、通常第一審事件中裁判時少年の終局総人員102名のうち、家裁へ移送されたのは2名。
1.不服申立ては不可。
当該決定に対し、検察官+少年のいずれも不服申立て(通常抗告、即時抗告、特別抗告)はできない(通説、高裁判例あり)。川出敏裕・法教353-113[2010年]ほか。
2.勾留状の効力は観 . . . 本文を読む
子どもの権利委員会にて、松本少年刑務所を訪問した。約1時間強の訪問だったが、施設内を見ることができて有意義な時間だった。
この4月に赴任されたという所長から「少年院と刑務所の中間的な施設」との話があったが、同じ感想を持った。塀の高さはやはり刑務所だ。少年院に代表される少年施設のイメージでいると、この高さに圧倒される。緑色の受刑者服も少年院とは違う(たぶん)。当然に刑務作業もある。
他方、受刑者 . . . 本文を読む