前回の話の続きになりますが、会社法107条は1項で、その発行する全部の株式の内容として、①譲渡制限株式、②取得請求権付株式、③取得条項付株式とすることがで…
前回の話の続きになりますが、会社法107条は1項で、その発行する全部の株式の内容として、①譲渡制限株式、②取得請求権付株式、③取得条項付株式とすることがで…
応訴管轄というのは、被告の応訴によって生ずる管轄をいいます。原告が土地管轄又は事物管轄違いの第一審裁判所に訴えを提起した場合、被告が管轄違いの抗弁を提出し…
民法の物権編では、占有権の相続という有名な論点がありますが、私はこれがなかなか理解できなかった。占有が認められるのは事実な支配状況にあることが原則であるが…
最初に話したように、民事訴訟における管轄は、色々な視点から分類できるもので、まず裁判所の機能に着目して分類するものとして、職分管轄(含む審級管轄)と事物、…
【土地管轄と裁判籍】 土地管轄とは、同一種類の第一審裁判所間の分配であり、一定区画に関係のある事件はどこの裁判所の管轄になるかということです。たとえば、第…
民法(総則、物権、債権)(64)占有における「善意」と「無過失」の推定について
第186条【占有の態様等に関する推定】① 占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。② 前後の両時点において占有を…
第一審を担当する簡易裁判所と地方裁判所との間では、訴訟物の価額又は性質によって、事件が配分される。これを事物管轄といいます。 【事物管轄】 (1)訴額が1…
(株式の内容についての特別の定め)第107条 1 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。一 譲渡による当該株式の…
(株主の平等)第109条1 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない…
(共有者による権利の行使)第106条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の…
(株主の権利)第105条1 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 …
(株主の責任)第104条株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。 会社法は104条から、設立手続規定が終り、株式の章に入ります。 104条で…
民法(総則、物権、債権)(63)即時取得と占有改定、指図による引渡し
即時取得制度は動産における公信の原則を如実に表したものであり、他の論点に比し取っつきやすいものでした。ただ、占有改定の場合にも、即時取得が認められるのか否…
【管轄の意義、分類】 私は刑事訴訟法においても民事訴訟法においても、どういうわけかこの管轄というのが苦手なんですよね。苦手というよりなかなか覚えられない。…
親族法において難解というか、ややこしいのが氏の原則だと思います。とりわけ、養子縁組と婚姻関係が重なったり、離縁の場合と離婚の場合における若干の復氏形態の違…
【明認方法とは何か】 明認方法とは、立木や稲立毛、未分離の果実のように、土地に定着するものについてなされる慣習上の公示方法です。登記ではなく、立札を立てた…
子の氏については、意外とややこしいところがありますね。条文にそって整理してみました。 【親子同氏の原則】 第790条【子の氏】① 嫡出である子は、父母の氏…
【動産物権変動における対抗要件の特色】 不動産の物権変動については登記が対抗要件になり、動産物権変動の対抗要件は「引渡し」になります(178条)。船舶や自…
【定款の作成、変更】 (1)発起設立の場合 定款は発起人全員で作成し、必要事項を記載して公証人の認証を受けなければなりません。そして、そもそも定款の作成が…
会社法(30)発起設立と募集設立の差異 ① 募集設立手続の概要
今まで株式会社の設立手続について話してきましたが、それらは概ね発起設立と募集設立に共通するところでした(厳密には細かい点で異なるところもあるが)。しかし、…
登記請求権というのは、登記権利者が登記に協力しない登記義務者に対して、登記申請に協力するよう請求する権利です。登記権利者というのは登記をすることによって利…
会社法(30) 発起設立と募集設立の差異 ①設立時役員等の選任、解任
今まで株式会社の設立手続について話してきましたが、それらは概ね発起設立と募集設立に共通するところでした(厳密には細かい点で異なるところもあるが)。しかし、…
民法(総則、物権、債権)(59)物権行為の独自性~物権契約と債権契約の違い~
民法物権編では、最初に物権変動についての理論的構成を学びますね。私の場合、これはあまり難しくなったところですが、物権契約と債権契約についての理解が曖昧でし…
本ブログは私が学んできたさまざまな法律学について理解に至るまでの足跡を記すつもりで始めたわけですが、その体を保っているのはどうも民法と商法だけのようになっ…
(発行可能株式総数の定め等)第37条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株…
(設立時役員等の選任) 第38条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任し…
(設立時発行株式の株主となる権利の喪失)第36条 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して…
(設立時発行株式の株主となる権利の譲渡)第35条前条第1項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株…
民法(総則、物権、債権)(58)割賦販売における期限の利益喪失約款付き債権と消滅時効
【割賦販売における期限の利益喪失約款~二つのパターン~】 割賦販売と消滅時効の論点は難しいですね。民法はとりあえず理解するのはなんとかなっても、その理解を…
国家試験の対策書等で頻繁に登場する、「預合い」「見せ金」、この正確な意味については、資本金の払い込み手続きについてよく知悉していないと難しいものがあります…
民法(総則、物権、債権)(57)時効の完成猶予、更新⑧その他の完成猶予事由(158条~161条)
民法158条から161条までは、時効完成に際して、権利者による時効の更新のための措置を不可能又は著しく困難にする事情がある場合を類型化したものであり、条文…
民法(総則、物権、債権)(56)時効の完成猶予、更新 ⑦ 承認
第152条【承認による時効の更新】① 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。② 前項の承認をするには、相手方の権利についての処…
民法(総則、物権、債権)(55)時効の完成猶予、更新 ⑥ 協議を行う旨の合意(151条)
第151条【協議を行う旨の合意による時効の完成猶予】① 権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は…
民法(総則、物権、債権)(54) 時効の完成猶予、更新 ⑤催告(150条)
第150条【催告による時効の完成猶予】① 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。② 催告によって時効の完成が猶予され…
民法(総則、物権、債権)(53)時効の完成猶予、更新 ④仮差押えおよび仮処分(149条)
第149条【仮差押え等による時効の完成猶予】次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。一 仮差押…
民法(総則、物権、債権)(52)時効完成の猶予、更新 ③ 強制執行等(148条)
第148条【強制執行等による時効の完成猶予及び更新】① 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取…
民法(総則、物権、債権)(51)時効完成の猶予、更新 ② 裁判上の請求等
第147条【裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新】① 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものに…
強制捜査が原則として裁判所が発付する事前の令状を必要とすることは先に話した通りですが、原則としてというのは、例外もあるからです。たとえば、後に話しますが、…
民法(総則、物権、債権)(50)時効の完成猶予、更新 ① 総論
私にとって、平成29年改正民法の中で最も難しかったのは時効における完成猶予と更新の部分でした。ここは逐次条文にあたって話したいところなのですが、その前に時…
民法(総則、物権、債権) (49) 時効の意義、除斥期間、権利失効の原則との違い
【時効の意義、制度趣旨】 時効は、一定の事実状態が永続する場合に、それが真実の権利関係と一致するか否かを問わず、そのまま権利関係として認めようとする制度で…
前回、任意捜査と強制捜査の違いに話しましたが、逮捕というのは言うまでもなく強制捜査の代表例です。これから、強制捜査については、その種類やそれぞれの特質、そ…
(出資の履行)第34条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る…
(定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任)第33条 発起人は、定款に第28条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第30条第一項の公証人の…
【任意捜査と強制捜査の違い】 捜査というのは、犯罪が発生したと考えられる場合に行われる証拠収集・保全、被疑者の身柄確保行為のことをいいます。そして、捜査は…
【消滅時効期間】 平成29年の改正民法で大きく変わりましたね。ここは実務に影響を与えるところだったと思いますが、私は全部忘れることにしています。まずは現行…
一般的に「犯罪とは、構成要件に該当し、違法かつ有責な行為である」と定義されます。体系論的に「構成要件」「違法性」「有責性」という三つの要素から犯罪を考察す…
(設立時発行株式に関する事項の決定)第32条 発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員…
(定款の備置き及び閲覧等)第31条 発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支…
(定款の認証)第30条 第26条第1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33…
会社法28条3号で掲げる「発起人の報酬その他特別の利益」というのは、発起人が成立後の会社から受ける財産的利益をいいます。まず、報酬とその他特別の利益とは、ど…
28条1号の現物出資とは、金銭以外の財産をもってする出資です。会社の設立は、株式引受人(発起人や募集引受人)が株式を得るために金銭を出資してなされるもので…
第28条 株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第26条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。 一 金銭以外の財産を出資…
第29条 第27条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項…
(定款の記載又は記録事項)第27 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。1 目的2 商号3 本店の所在地4 設立に際して出…
(定款の作成)第26条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は 記名押印しなければならない。2 前項の定款は、電磁的記録…
次回、つまり次条から発起設立の手続きについて話し、それから募集設立の手続きについて進むわけですが、その前に両者の設立手続きの大まかな流れについて話したいと…
設立中の会社とは、発起人が会社設立のために取得し負担した権利義務が、会社成立後、当然に会社に帰属することを説明するために使われる法技術的概念です。徐々に成…
第25条 1 株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。 ① 次節から第8節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式…
(通知義務)第16条 代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。…
第6条【商号】① 会社は、その名称を商号とする。② 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合…
第12条【支配人の競業の禁止】① 支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。一 自ら営業を行うこと。二 自己又は第三者のために会社…
【本店と支店】 第4条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。 これは会社法の条文にしては、珍しくわかりやすい条文ですね。人の住所が「各人の生活…
第5条 会社(外国会社を含む。次条第1項、第8条及び第9条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。 こ…
嫡出性を争う方法は嫡出否認の方法によるだけではなく、まとめると次のようになります。 嫡出子 ①推定される嫡出子~推定の及ぶ子 →嫡出否認の訴え …
前回話した、①推定される嫡出子、②推定されない嫡出子、③推定のおよばない子、それぞれの父子関係を争うに際しての争い方法が異なります。結局、子を①から③まで…
【期限の意味】 期限とは、法律行為の効力の発生もしくは消滅、または債務の履行を、将来発生することの確実な事実にかからせる旨の特約をいいう。到来する期日が定…
【条件付き法律行為の特徴】 (1)不遡及の原則 条件成就の効力は原則として遡及しない。よく考えれば当たり前ですよね。しかし、当事者の合意によって条件成就の効…
【条件の種類】 ①停止条件~一定の事実が発生することによって、法律行為の効力が発生する条件をいう。大学に合格したら車を贈与する等。 ②解除条件~一定の事実…
法律行為の効果の発生または消滅を、将来の不確定な事実の成否にかからせる場合を条件といい、将来発生することの確実な事実にかからせる場合を期限というわけですが…
民法総則代理権における論点の中では、きわめて有名な「日常家事代理権と民法110条」の問題について話したいと思います。正直、この論点はとっつきやすい反面スッ…
民法(総則、物権、債権)㊸ 無権代理人が本人の後見人に就任した場合
相続の場合と同様の問題が生じるケースとして、無権代理人が本人の後見人に就任した場合が挙げられます。 乙が甲の所有する土地を無権代理によって相手方丙に売却…
2条③④で親子会社について規定されていますね。子会社および親会社の定義が少し複雑にみえますね。とりあえず、両者に支配服従の関係があるということ、具体的には…
会社法第2条①により、会社には4種類あることがわかりました。 そして、組織変更やその頻繁な登場回数から、株式会社というのが一番大事なものだということもわ…
会社とは、金儲けを第一の目的とした法人であって、原則社団性を有するものと理解したわけでして、そうすると、第2条がホンの少しだけ読めるようになる。 2条の…
(定義)第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。二 …
これから会社法の話に入っていきたいと思いますが、会社法の理解については基本的な用語を理解したら、あとはひたすら条文を読むことに尽きるような気がします。とい…
現在、色々な法律について自分の理解の思い出などを語っているところなのですが、会社法については実は十年位前に他のブログでアップしていたものをこちらに移動させ…
(発起人等の損害賠償責任)第53条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生…
(出資の履行を仮装した場合の責任等)第52条の2 1 発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。 一 第三…
前回話したように、実子というのは法律上嫡出子と非嫡出子に分かれるわけですが、両者の違いは何か。一言でいえば、婚姻関係にある夫婦から生まれた子が嫡出子であり…
私の記憶力というのは、おそらく世間一般人並みのレベルだと思います。世間一般人並みの記憶力の人間が法律学の知識を理解した上で記憶するのって厳しいものがありま…
前回、刑法における行為とは何かという点、つまり行為論について話をしました。これには因果的自然的行為論や目的的行為論等があるということでしたが、この行為論と…
区分地上権というのは、土地の空間又は地下の一部を限定して、その上に設定された地上権のことです。空間の方を空中地上権、地下の方を地下地上権と呼ぶことがありま…
根抵当権については最初の入り口のところで、つまずいてしまったものです。 まず398条の2が規定する、根抵当権によってカバーされる「一定の範囲に属する不特…
民法(総則、物権、債権) ㊷ 第三者が無権代理人を相続した場合
【第三者が無権代理人を相続した場合】 これはどういう場合かというと、夫Bが、妻Aの土地を無権代理によって相手方Cに売却した。その後、AとBが死亡し、子D…
会社法第52条 発起人の責任(出資された財産等の価額が不足する場合の責任)
(出資された財産等の価額が不足する場合の責任)第52条 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録さ…
民法(総則、物権、債権)㊶ 無権代理の相続(2)本人が無権代理人を相続した場合
【本人が無権代理人を相続した場合】 前回は無権代理人が本人を相続した場合について話しましたが、今回はその逆になります。子Bが親Aの所有する土地を無権代理…
無権代理行為が行われた後、本人や無権代理人が死亡してその地位が承継された場合、無権代理をめぐる法律関係はどうなるのかという有名論点について話したいと思いま…
(引受けの無効又は取消しの制限)第51条 民法(明治29年法律第89号)第93条ただし書及び第94条第1項 の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示に…
私が刑法学に熱中していたのは遠い昔のことになります。まだ団藤先生も平野先生もご存命の頃でした。 当時は、違法性の実質について行為無価値論と結果無価値論の…
親族法における親子関係、ここは私にとって非常にとっつきにくい上に整理がつかない鬼門でした。最近では令和4年に改正されましたね。とりあえず、全体構造を捉えた…
民法(総則、物権、債権) ㊴ 民法118条~単独行為の無権代理~
民法118条をみてみましょう。 第118条【単独行為の無権代理】単独行為については、その行為の時において、相手方が、代理人と称する者が代理権を有しないで行…
無権代理の論点はどちらかというと得意な方で、理解しやすかったものの、しっかり整理しないと忘れやすいのは他と同じですね。まず、知識を整理して有名な二大論点、…
捜査とは、捜査機関が、犯罪があると思料するとき、公訴の提起及びその遂行のため、犯人及び証拠を発見、収集、保全する手続きをいいます。 捜査は、捜査機関が行…
民法(総則、物権、債権) ㊲ 代理行為の瑕疵についての諸論点 (1)
【相手方が代理人に詐欺、強迫をした場合】 民法101条をみてみましょう。 第101条【代理行為の瑕疵】① 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思…
【親権者の決定】 離婚をしたら、いろいろな法的効果が生じますが、その中でも特に大きなウェイトを占めるというか争いの元になるのが未成年の子についての親権者の…
(株式の引受人の権利)第50条 発起人は、株式の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株…
代理の論点は難しいですね。特に私は代理行為の瑕疵についての問題が苦手でした。 民法101条をみてみましょう。 第101条【代理行為の瑕疵】① 代理人が相…
先日、商法の受験参考書に目を通していたら、こんな問題があった。 会社は、株式会社の発起人になることができるか?これは簡単、なれる。 次に会社は合名会社…
法律を本格的に学んだことのない人からよく訊かれるのは、憲法と法律の違いは何かという点です。内容の違いを説明するよりも、私はまず作る人の違いから説明します。憲…
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前回の話の続きになりますが、会社法107条は1項で、その発行する全部の株式の内容として、①譲渡制限株式、②取得請求権付株式、③取得条項付株式とすることがで…
応訴管轄というのは、被告の応訴によって生ずる管轄をいいます。原告が土地管轄又は事物管轄違いの第一審裁判所に訴えを提起した場合、被告が管轄違いの抗弁を提出し…
民法の物権編では、占有権の相続という有名な論点がありますが、私はこれがなかなか理解できなかった。占有が認められるのは事実な支配状況にあることが原則であるが…
最初に話したように、民事訴訟における管轄は、色々な視点から分類できるもので、まず裁判所の機能に着目して分類するものとして、職分管轄(含む審級管轄)と事物、…
【土地管轄と裁判籍】 土地管轄とは、同一種類の第一審裁判所間の分配であり、一定区画に関係のある事件はどこの裁判所の管轄になるかということです。たとえば、第…
第186条【占有の態様等に関する推定】① 占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。② 前後の両時点において占有を…
第一審を担当する簡易裁判所と地方裁判所との間では、訴訟物の価額又は性質によって、事件が配分される。これを事物管轄といいます。 【事物管轄】 (1)訴額が1…
(株式の内容についての特別の定め)第107条 1 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。一 譲渡による当該株式の…
(株主の平等)第109条1 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない…
(共有者による権利の行使)第106条 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の…
(株主の権利)第105条1 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 …
(株主の責任)第104条株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。 会社法は104条から、設立手続規定が終り、株式の章に入ります。 104条で…
即時取得制度は動産における公信の原則を如実に表したものであり、他の論点に比し取っつきやすいものでした。ただ、占有改定の場合にも、即時取得が認められるのか否…
【管轄の意義、分類】 私は刑事訴訟法においても民事訴訟法においても、どういうわけかこの管轄というのが苦手なんですよね。苦手というよりなかなか覚えられない。…
親族法において難解というか、ややこしいのが氏の原則だと思います。とりわけ、養子縁組と婚姻関係が重なったり、離縁の場合と離婚の場合における若干の復氏形態の違…
【明認方法とは何か】 明認方法とは、立木や稲立毛、未分離の果実のように、土地に定着するものについてなされる慣習上の公示方法です。登記ではなく、立札を立てた…
子の氏については、意外とややこしいところがありますね。条文にそって整理してみました。 【親子同氏の原則】 第790条【子の氏】① 嫡出である子は、父母の氏…
【動産物権変動における対抗要件の特色】 不動産の物権変動については登記が対抗要件になり、動産物権変動の対抗要件は「引渡し」になります(178条)。船舶や自…
【定款の作成、変更】 (1)発起設立の場合 定款は発起人全員で作成し、必要事項を記載して公証人の認証を受けなければなりません。そして、そもそも定款の作成が…
今まで株式会社の設立手続について話してきましたが、それらは概ね発起設立と募集設立に共通するところでした(厳密には細かい点で異なるところもあるが)。しかし、…
二月に入ってからも秋一の鬱々とした態度は一向に晴れ渡らず、林崎部長は眉をひそめては部長仲間達にこんなことを口にしていた。つまり四月以降、令状部専属に据え置…
年が明け、正月初日。 秋一はぼんやりとした脳で官舎のベランダに降り注ぐ陽光に身をやったが、寒さが鋭く身に染みて、ぼんやりとした脳が痛い寒さに対する怒りへ…
「そうか、そんなことがあったんだ。」 林崎部長は鈍い溜息をついては三重野主任書記官を見つめた。右手の紙コップのビールは既に底をついており、お代わりをする…
元恋人というよりも秋一にとっては一番親しい幼馴染のような存在であった直美が十年間の東京生活の末、都落ちのような感じで帰郷するのを見送ったのは正解だったと考…
東京湾クルージングはたっぷり二時間、料理とピアノで海から眺める東京の美的間隙を堪能させてくれた。 久しく人間的会話に欠乏していた秋一は、今日が直美にとっ…
十二月初旬土曜日の昼下がり、秋一は初めて最近開通したゆりかもめ竹芝駅に近い小さな駅で降車した。東京湾に面した駅であるが、意外と人出が少なく商店街もないこと…
この時間帯に電話をかけてくるとなると、峯田代行による緊急の業務がらみか実家の両親からかと思い受話器を取った秋一である。 しかし、受話器の向こうからは意に…
そして九月に入り、次々とオウム教団幹部の公判が始まるわけであるが、その一番最初に教団幹部とまでは言えずメディアにおけるネームバリューには劣る準幹部の第一回…
当時、秋一は職場に出勤後その足でほぼ毎日江戸川区内にあるY大学の大塚教授の研究室へと向かった。大塚教授というのは東京地裁峯田所長代行と大学法学部時代の同期…
平成七年五月十六日夜、秋一は東京湯島の官舎で一人ダイニングテーブルからテレビの画面を注視していた。ブラウン管では朝から一日中どこの局でも麻原彰晃逮捕のニュ…
本小説、ちょっとスランプ気味です。七割位進んだところで、構成に悩みが生じたのです。そんな折、ふと別の物語が脳裏をよぎって、もう一つのブログにアップしたとこ…
阪神淡路大震災は、秋一が静岡地裁在任中に発生したもので、早朝テレビのニュースでその惨劇を知った。 自身に影響はまったくなかったが、高速道路が玩具のように…
翌年、四月の人事異動において、秋一は静岡地裁勤務を命じられた。海の見える公務員宿舎で一人優雅に暮らすことになるのであるが、二十八歳になっていた。自己解放の…
歳月が経つのは早い。判事補三年目の初夏を迎えた。その時期、日本中は当時の皇太子であった浩宮様と小和田雅子様の結婚報道一色であった。テレビで結婚パレードを眺…
年が明け、判事補二年目になった秋一は一層職務に精励していた。年末年始も帰省しなかったのは、彼が担当した大型脱税事件を検挙したマルサこと国税庁査察部の調査員…
控室ですっかり意識を戻した秋一は、壁の時計を見やった。まだ披露宴は続いている時間であり、慌てて式場に戻ろうと腰を上げたところをスタッフに止められた。 「…
その年の秋口、秋一の担当した大型脱税事件の第一回公判が全国報道されテレビニュースで流れた。細いフレームの銀縁眼鏡から、テレビカメラを見つめる鋭い眼光と凛々…
当時、飛ぶ鳥を落とす勢いで出世街道を驀進していた林崎部長から雑談中に指導を受けた秋一は、しばらく今後の判事としての生き方、あり方について思い悩んでいた。 …
秋一は悩んでいた。すっかり惚れ込んでしまったユウと毎週土曜日同伴出勤するのはいいが、その本心にはなんとか彼をものにしたいということがあった。彼はウケ専らし…
先程来、花ママと二人きりのカウンターに、夜の匂いが風に乗って薄っすらと浸潤した。 「あら、ユウくん、おはよう。丁度噂してたところなのよ。」 ユウくんと…