娼婦の本棚

娼婦の本棚

946円 (税込)

4pt

【目次】
●はじめに――時に夜があまりに暗く、字を照らす光がなくても

〈第1章 女は無意味に旅に出る〉

●もしアリスが女の子ではなかったら
――『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル/矢川澄子訳)
●女の子の殻をさらに包む強力な殻
――『“少女神”第9号』(フランチェスカ・リア・ブロック/金原瑞人訳)
●娼婦になったり聖母になったりすればいい
――『悲しみよ こんにちは』(サガン/河野万里子訳)
●女子高生にある個室の自由
――『いつだってティータイム』(鈴木いづみ)

〈第2章 セックスなんかで分かるもの〉

●資本主義と愛と整合性のないカラダ
――『pink』(岡崎京子)
●たかが一度や二度のセックス
――『性的唯幻論序説 改訂版 「やられる」セックスはもういらない』(岸田秀)
●されどセックスが解放する時間
――『蝶々の纏足』(山田詠美)

〈第3章 女ではない奇怪な生き物〉

●買う男の論理があるのだとして
――『わが悲しき娼婦たちの思い出』(ガルシア= マルケス/木村榮一訳)
●基本的には他人事でしかない男の青春
――『大胯びらき』(ジャン・コクトー/澁澤龍彥訳)
●お金を介した男女の滑稽な話
――『遊女の対話』(ルーキアーノス/高津春繁訳)

〈第4章 信じられる神がいなくとも〉

●ありえないほど汚れた場所の、ありえないほど高貴な信仰
――『ぼくんち』(西原理恵子)
●夜のオカネと昼のオカネ
――『大貧帳』(內田百閒)
●この世で最も不公平な関係
――『シズコさん』(佐野洋子)

〈第5章 言葉を身体に貼り付けて〉

●夜が過ぎても生き残る可能性があるなら
――『夜になっても遊びつづけろ』(金井美恵子)
●若い女の心はそう整うものじゃない
――『私家版 日本語文法』(井上ひさし)
●一〇〇年越しの女の味付け
――『モダンガール論』(斎藤美奈子)
●それでもピンヒールは正義
――『ちぐはぐな身体 ファッションって何?』(鷲田清一)

〈第6章 荒唐無稽な夜を生き抜く〉

●無敵だったココロと冷めた見解
――『桃尻娘』(橋本治)
●若さも九〇年代も空っぽだったと皆言うけれど
――『モモ』(ミヒャエル・エンデ/大島かおり訳)
●半分腐った世界でナウシカになれるわけもなく
――『風の谷のナウシカ』(宮崎駿)

●おわりに――それでも「絶望的に期待する」

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

娼婦の本棚 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    この本を読んだ理由は、単純にファンである鈴木涼美さんのバックボーンがどのような本によって形成されたのか気になったから。
    鈴木涼美さんの文体、語彙力、表現力が大好きで、その文章力には毎回感服させられる。
    なんなら文章を浴びるためだけに読んでいる時すらある 笑。

    この本では自身の体験をもとに、その当時

    0
    2024年01月07日

    Posted by ブクログ

    普段よりもう一歩深い読書体験ができたと思っています。
    この人の言葉には艶があり、私たちがなかなか言葉にできない感覚や思いを
    いとも涼しくさらりと述べています。

    0
    2023年03月30日

    Posted by ブクログ

    何とも独自の経歴。大学生からキャバクラ、AVなど。傍らには本。

    書評本は数多くあれど、自分の肉体と精神の乖離をここまでうまく表現する作家はそうはいない。

    0
    2023年02月05日

    Posted by ブクログ

    ※まだ読み途中

    圧倒的に強いジャケットに惹かれて読んでみる。
    中央公論.jpで約1年間連載された内容の総集編。改題前は『夜を生き抜く言葉たち』、書籍化にあたりタイトルが攻めたものに変わっていることがわかる。これはおそらく正解だと感じる。

    元AV女優という生き方が色濃く反映された内容ではあるが、慶

    0
    2022年04月26日

    Posted by ブクログ

    サガンのデビュー作の芸達者。
    37歳で果てた鈴木いずみへの共感
    岡崎京子作品に思う、たいていの大人は矛盾したライフスタイル。優先事項のチェンジした世界、たとえばホストクラブ。『pink』で小学生の義妹は「お金が欲しければカラダを売ればいいのに」と本質的な言葉をいう。
    岸田秀『性的唯幻論序説』「男と女

    0
    2025年01月26日

    Posted by ブクログ

    週刊SPAの冒頭で切れ味鋭すぎなコラムを書かれていた方の読書本。自分は読書家ではないのもあり大体の書籍は未知のものだったので興味を持てた。ただ紹介された本の内容よりも本と関連した著者の人生と考え方の方が面白かった。

    0
    2024年08月25日

    Posted by ブクログ

    筆者は元AV女優で、慶應卒、東大院卒、そして日経の記者という、一見異色の経歴を持つ作家さん。人と自分を比べて卑屈になるのではなく、特殊な経歴をもてはやされても決して思い上がらず、相手を尊重しつつ自分にも自信を持つ。ごく普通で何の変哲もない人生を送った人に対しても敬意を払う、そんな筆者のサッパリとした

    0
    2023年08月21日

    Posted by ブクログ

    著者のことを乱暴に表現すると、とても拗らせている人という印象。でも、何か満たされなかったり惨めな思いをすることって、自分を客観的に見つめたり、世の中を冷静に捉えることに繋がって、大事なことなんだなと実感する。そんな拗れた思いを抱いた経験こそが人を強くするんだなと実感した。

    就活において自己分析と業

    0
    2023年07月14日

    Posted by ブクログ

    感想文風エッセイのようなもの。あ~、わかるわかる、とそれなりの年代の女性なら思う所が多いのではないかと思う。この方の書き方なのか、一文が長い。その点は、読みやすいにくいが出るかもしれない。巷の文は短いんだな、と思えた。

    0
    2023年01月21日

    Posted by ブクログ

    著者の鈴木涼美は、慶応大学在学中にAV女優としてデビュー。その後、東大大学院に進み、日本経済新聞社に入社して新聞記者となるという異色の経歴を持つ。2016年に亡くなった母は児童文学研究家で翻訳家の灰島かり、父の鈴木晶は翻訳家で法政大学教授、エーリッヒ・フロムの『愛するということ』の訳者でもある。

    0
    2022年08月15日

娼婦の本棚 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

中公新書ラクレ の最新刊

無料で読める エッセイ・紀行

エッセイ・紀行 ランキング

鈴木涼美 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す