震災で暗くなりがちな誌面に明るい記事を載せたい。そんな思いから始めたのが日経ビジネス8月29日号の特集「ニッポンの宇宙力」だ。圧倒的な強さを誇る欧米勢に追いつこうと日本の企業は技術を磨き、低コスト化を進めている。JAXA (宇宙航空研究開発機構)は宇宙探査に加え、有人宇宙飛行を視野に入れた開発計画を着々と進めていた。そこには確かに、夢と希望へと進む人たちがいた。一方で、宇宙産業を取り巻く厳しい現実にも否応なしに気付かされた。取材で訪れた多くの企業関係者は、過去の苦労話と将来への不安を口にした。JAXAや官庁からさえも、不満を訴える声があふれ出る。その原因を突き詰めると、無責任なニッポンという国の姿が浮かび上がってきた。このコラムでは、誌面で書ききれなかった宇宙産業の厳しい現実を、取り上げたいと思う。

この記事は会員登録(無料)で続きをご覧いただけます
残り2177文字 / 全文文字

【初割・2カ月無料】お申し込みで…

  • 専門記者によるオリジナルコンテンツが読み放題
  • 著名経営者や有識者による動画、ウェビナーが見放題
  • 日経ビジネス最新号12年分のバックナンバーが読み放題