曇りなき眼で見定めブログ

学生です。勉強したことを書いていく所存です。リンクもコメントも自由です! お手柔らかに。。。更新のお知らせはTwitter@cut_eliminationで

2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「型なし証明論」について(推論主義、証明論的意味論、線形論理、相互作用の幾何学、ルディクス)

先日、一橋大学で↓こういうイベントがあった。 sites.google.com 講演者の豊岡正庸さんは私の直の先輩にあたる。たいへん優秀な方で、分析哲学・哲学的論理学の世界では注目の存在である。 豊岡さんの講演のなかで線形論理やジラール先生に触れた箇所があり…

「外国人観光客」(連続大河私小説第5回)

(前回はこちら) 加藤晋太郎は、札幌の中心部、札幌駅のすぐ近くに住んでいる。最近そのあたりは外国人観光客が多い。晋太郎は感覚がアップデートできていないので、外国人という存在に対し普通にイラついてしまう。特にアジア圏からの観光客に。まさに「TH…

「肉食」(連続大河私小説第4回)

(前回はこちら) 加藤晋太郎は動物倫理学についての本を読んで以来、肉を食べることは悪いことだと認識している。単純に、人間を殺すことは悪いことなのだから、そうした配慮の対象を他の動物にも拡げようという話である。また、食肉用の動物は劣悪な環境で…

【ネタバレ注意】『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』を観てきた!(これはもう「シン・ガンダム」だあっ!)

- スタジオカラーがガンダムを作ったということで話題の本作! 非常におもしろかった! 単なるテレビの先行上映なのにすごい規模でやっているらしい。大きな箱で観た。初日だからか客もそこそこ入っていた。 TAMASHII NATIONS METAL ROBOT魂 機動戦士Gundam …

うおw

最近↓の「ったく…w」についての記事がGoogle検索からよくアクセスされている。 cut-elimination.hatenablog.com 私は「ったく…w」の起源は匿名掲示板エッヂだと認識しているが、最近はもこう先生などいわゆる痴漢界隈の配信コメントでもよく書かれている模様…

英霊(?)召喚ごっこ

↓前にこんなことを書いた。 cut-elimination.hatenablog.com cut-elimination.hatenablog.com 哲学、というより思想とか批評とかの方面をやっている人は、偉人、それもカタカナの名前の人の古典を重視しすぎ、という論である。そういうのが好きな人は、哲学…

テロや凶悪犯罪が異様なほど起きない日本

↓『愛と幻想のファシズム』を読んでいて思ったこと。 cut-elimination.hatenablog.com この小説には左右の大小の過激派が出てくる。あとがきによると作者の村上龍は、ボウガンの訓練をしている純粋右翼にも取材したらしい。そういうテロ志向の人ってやはり現…

キミは『サムライチャンプルー』を見たか?(2010年代以降のサブカルチャーの起点)

2004年放送。渡辺信一郎監督。マングローブ原作のオリジナルアニメ。 渡辺監督はこの前に作った『カウボーイビバップ』とともに世界的に人気の人で、本作など日本よりむしろ欧米での知名度が高い模様。欧米のやつらに負けておれんということで見た。 「サム…

村上龍『愛と幻想のファシズム』というメチャクチャな小説を読んだ!(ついでに庵野秀明論)

近代文学をいろいろ読んでいた私だが、趣向を変えて1984年から連載された村上龍『愛と幻想のファシズム』を読んだ。 愛と幻想のファシズム 上下巻セット 講談社 Amazon 『限りなく透明に近いブルー』という私小説っぽい作品でデビューした龍だが、この作品で…

「病院」(連続大河私小説第3回)

(前回はこちら) 加藤晋太郎は近所の心療内科クリニックに何年も通っている。札幌に来て少ししてからずっとである。抑うつ症状と不眠が主な原因。 主治医はやる気のなさそうな老人で、いつもこちらの話を聴いているのかどうかわからない人である。そんなん…

「コーヒー」(連続大河私小説第2回)

(前回はこちら) コーヒーの代替としてごぼう茶を飲み始めた加藤晋太郎。飲み始めた日は、珍しく日付が変わる前に眠った(晋太郎は病院で睡眠導入剤をもらっているので寝つきに問題はない)。ウィンタースクールをサボる代わりに明日こそ明るいうちから活動…

「ごぼう茶」(連続大河私小説第1回)

電気ケトルからコップに湯を注ぐ。コップにはごぼう茶のパックが入っている。パックは本来は急須用のもので、紅茶のバッグに付いているような紐がない。なのでスプーンを使ってうまくコップから取り出す。横着なことである。しかしこの加藤晋太郎という男は…

キミは『雲のように風のように』を見たか?(中華ジブリ風)

YouTubeで期間限定配信されていて、初めて見ることができた(作画MADでしか見たことなかった)。 1990年にスペシャル番組としてテレビで放送された。原作は小説。 「雲のように風のように」[Blu-ray] 佐野量子 Amazon 制作はぴえろだが、キャラクターデザイ…

「言えたじゃねえか」な話が多すぎる問題

最近の漫画やアニメって「言えたじゃねえか」な話が多すぎないだろうか!? この「言えたじゃねえか」というのはネットミームないし有名な定型表現である。元ネタはファイナルファンタジーXVらしい。 dic.nicovideo.jp アニメ実況とかニコニコ漫画だと、キャ…

「こっち側」みたいに振る舞ってるけど「そっち側」のやつ

昔はアメトーークが好きでよく見ていた。宮迫博之は司会者として凄かったのかどうかわからないが、イジり芸みたいなのは上手かったんじゃなかろうか。出川哲朗とか狩野英孝みたいなズレた芸人をイジる際、価値観が安定していたというか。出川や狩野みたいな…

「答えは沈黙」しかないのか?(性加害問題を斬る(斬らない))

あけおめ。 昨今、有名人が性行為を強要したとかいうのが報道されて問題になることが増えている。これは当人の間で同意があったかどうかが焦点になるので、殺人とかそういう犯罪と違って実態が見えにくい。なので第三者があれこれ言うのが難しい。 去年もっ…