中年のビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

60歳が迫るとともに、定年後のキャリアについて考える人も少なくないだろう。「この会社で職業人生を終わらせていいのか」「ビジネスシーンで必要とされる人材でいられるか」といった疑問が頭をよぎるかもしれません。しかし、60歳を超えても生き生きと働き続ける人たちには、「50代の過ごし方」に“ある共通点”があるのです。彼らはどんな準備をしてきたのでしょうか。本記事では、60歳を過ぎても「一緒に働きたい」と思われる人の特徴と、すぐに実践できるポイントについて解説します。(クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)

60代を超えると広がる格差
「活躍し続ける人」と「老け込む人」

 昨年、私は還暦を迎え、60代に突入しました。「ついに自分が赤いちゃんちゃんこを着る年齢になったか……」とは思いましたが、昔の60歳と今の60歳はだいぶ違います。還暦というと昔は高齢者のイメージがありましたが、現在はそれほどでもありません。

 日本老年学会と日本老年医学会は共同で2017年3月に「高齢者に関する定義 検討ワーキンググループ」報告書を発表し、高齢者の定義を65歳以上から75歳以上とし、65~74歳を「准高齢者」、90歳以上を「超高齢者」にすべきと提言しました。

 つまり、医学界は現在の75歳は昔の65歳と同じくらいの若さだと考えているということです。

 ただし60代に突入した私が周囲を見渡してみると、同じ世代でも若々しさや「現役感」には大きな違いがあります。

 すでに仕事でやる気を失って引退モードに入っている人、一歩引いた立場で仕事をする隠居モードの人もいれば、ビジネスの最前線で若い人たちと一緒にバリバリ活躍している人もいます。

 人それぞれなので引退モードに入ること自体を否定するつもりはありません。しかし、人生100年時代と言われるように60歳を超えても人生がまだまだ続くのであれば、できるだけ長くビジネスの現場で活躍することが経済的な意味で重要です。さらに、社会に貢献するという意義もあると思います。

 では、どうすれば60歳を超えてもビジネスの現場で必要とされ、活躍し続けることができるでしょうか。それには50代の過ごし方がカギになります。