動乱

劇場公開日:

解説・あらすじ

高倉健と吉永小百合が初共演を果たし、五・一五事件から二・二六事件までの激動の時代を背景に、寡黙な青年将校とその妻の愛と生きざまを2部構成で描いた大作映画。「日本沈没」「八甲田山」の森谷司郎が監督を務め、「華麗なる一族」の山田信夫が脚本を担当。昭和7年4月、仙台連隊。宮城啓介大尉が隊長を務める中隊の初年兵・溝口が脱走した。溝口の姉・薫が、生活苦のため千円で芸者に売られようとしていたからだ。溝口は捜索隊の上官を殺してしまい、銃殺刑に処せられる。宮城は父に用立ててもらった千円を香典として薫に手渡す。五・一五事件が発生し、陸軍内部の皇道派と統制派の対立が激化する中、宮城は部下から脱走兵を出した責任を問われ、朝鮮の国境守備隊へ異動を命じられる。そこで彼は、芸者になった薫と偶然にも再会する。2020年11月6日~、東京のT・ジョイPRINCE品川ほかにて4Kデジタルリマスター版をリバイバル公開。

1980年製作/150分/日本
配給:東映
劇場公開日:2020年11月6日

その他の公開日:1980年1月15日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第4回 日本アカデミー賞(1981年)

受賞

主演男優賞 高倉健

ノミネート

作品賞  
主演女優賞 吉永小百合
助演男優賞 田村高廣
助演男優賞 米倉斉加年
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(C)東映・シナノ企画

映画レビュー

2.0例え、皇道派が実権を握っていたとしても…

2025年4月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この作品が五・一五~二・二六事件を
扱っていると知り興味を持ったが、
でも、高倉健と吉永小百合の恋愛要素が
この両事件の深みを逸するのだろうと
想像しつつ、一応観てみた。

さて、
第一部・第二部という構成については、
序章・本章とすべき印象だったが、
内容については概ね予想通りだった。
時代に翻弄された男女の物語を中心とした
スター俳優を使ったフィクション映画としての狙いは理解するが、
決起将校や真崎大将らの実名を踏襲しない
前提もあり、事件そのものへの臨場感を
得られなかったのは残念だった。

同じ事件を扱った映画は幾つかあるが、
三國連太郎演ずる北一輝が、死刑執行人の
“天皇万歳と叫ばないのか”との問いに対し、
“私は死ぬ前に
冗談は言わないようにしているのです”
と答える強烈なラストシーンの
吉田喜重監督作品「戒厳令」が
私にとっては思い出深い。

さて、この映画の最後では、
皇道派が敗れた結果、
統制派が実権を握り太平洋戦争に突入した
かのように字幕が表示されたが、
残念ながらこのクーデターが成功して
皇道派が実権を握っていたとしても
結果は同じだったと思わざるを得ない。
皇道派故に、より一層、
天皇を担いでの不敗の神国として
同じ戦争に突入し、
同じような敗戦を迎えていたことだろう。
司馬遼太郎が「坂の上の雲」で語っている
ように、どちらも内戦を抱えていた国との
日清戦争と日露戦争での偶然に過ぎなかった
勝利に過信して太平洋戦争に突入した
当時の軍部上層部の思慮の浅さに
変わりはなかったであろうから。

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KENZO一級建築士事務所

3.0中途半端感が半端ない

2023年9月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

80年になっても相変わらず小百合様はお綺麗。そして健さんは寡黙。寡黙すぎて60年代日活映画の半分も台詞の量が無いので小百合様は戸惑ったのでは。
寡黙・実直が健さんの矜持なのであろうが、この映画ではただ直情径行でコミュ障な人間にしか見えない。人の運命を散々翻弄しておいて「不器用ですから」では済まされんだろう。
ストーリーの方ももうちょっと脚本とか練ってもいいんじゃない?226の歴史語りとしては中身が浅いし、二大スターの恋愛叙事詩としてもあまりメリハリが無い。当時の軍人の価値観はそんな単純なものじゃなかったと思うが。しかしこの頃の戦争映画はこんな感じのが多いな。東映なのでヤクザ映画と同じ展開になっちゃうのかな?80年代頃の歴史観、戦争観がもっとも稚拙だったのかもしれない。

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あっきゃん

3.0ビッグスターの二人の出演であるが、物足りなさを感じた。

2023年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

高倉健と吉永小百合と5.15事件と2.26事件。
日本軍の無謀や腐敗、戦争へ突き進む時代に起きた事件を描く映画である。

主人公(高倉健)は正義感あふれ、言葉も少なく清く正しく頑固。吉永小百合も感情を抑え続けている。青年将校によるクーデーター事件となるともう少しリアルなぶつかり合いのシーンやハラハラ・ドキドキがあっても良さそうだが、任侠映画スターの高倉健の役どころがそうさせているのだろうか。ちょっときれいに作りすぎて物足りなさを感じた。は

とはいうものの、歴史の事実としての2.26事件に向かう皇道派と青年将校たちの思いと軍部の幹部。淡々と進んでいるようで実は軍部の暴走が更に進み、その悲惨さはその後の歴史が証明する。どこかにターニングポイントがあったのかもしれない。一般市民にひしひしと忍び寄る巨大な圧力と恐怖、そして指導部の面子が歴史を動かす。

NHKBS

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M.Joe

4.0226事件の頃は。。。

2023年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

226事件以降に陸軍内のパワーバランスが崩れて、中華事変、太平洋戦争に流れて行ったという。
この時代をわかりやすく知るためには、こういう映画が果たす役割は大きいのかも。

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かずじー