MINAMATA ミナマタ

劇場公開日:

MINAMATA ミナマタ

解説・あらすじ

ジョニー・デップが製作・主演を務め、水俣病の存在を世界に知らしめた写真家ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスの写真集「MINAMATA」を題材に描いた伝記ドラマ。1971年、ニューヨーク。かつてアメリカを代表する写真家と称えられたユージン・スミスは、現在は酒に溺れる日々を送っていた。そんなある日、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市のチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しんでいる人々を撮影してほしいと頼まれる。そこで彼が見たのは、水銀に冒され歩くことも話すこともできない子どもたちの姿や、激化する抗議運動、そしてそれを力で押さえ込もうとする工場側という信じられない光景だった。衝撃を受けながらも冷静にカメラを向け続けるユージンだったが、やがて自らも危険にさらされてしまう。追い詰められた彼は水俣病と共に生きる人々に、あることを提案。ユージンが撮影した写真は、彼自身の人生と世界を変えることになる。「ラブ・アクチュアリー」のビル・ナイが共演し、日本からは真田広之、國村隼、美波らが参加。坂本龍一が音楽を手がけた。

2020年製作/115分/G/アメリカ
原題または英題:Minamata
配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2021年9月23日

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映画レビュー

3.5古風なハリウッドナイズだけど実直さと本気がみなぎっている。

2021年11月30日
PCから投稿

水俣病の問題について詳しいわけではないが、実際に起きたことをかなりハリウッド風に脚色してることは映画を観ていても感じ取れるし、実際、物語的な面白さを優先して、史実を変えたところも多く、メインの登場人物のモデルになった方が、正確ではなくとも水俣病のことを知ってもらえるからという理由から映画を支持されているインタビュー記事も読んだ。

近年では、白人男性を一種のヒーローにして異文化を描くことを批判する声も高まっていて、その轍を踏んでいないとは言えないと思う。しかし、それでもこの映画に見応えがあるのは、作り手のこの事実を世界に知らしめたいという気持ちと、生半可なものは作れないという日本人キャストの本気が感じ取れるから。

被害者の声を届けるための情熱的なリーダーを演じる真田広之、被害者の悲しみと葛藤を過去最高の熱演で体現する加瀬亮、出番はわずかながら一瞬で凄みを感じさせる浅野忠信など、第一線の演者たちの気迫もすごいし、それに煽られるような熱気が映像に宿っているように感じられるのだ。

当事者の方々には複雑な胸中があると思うし、この映画を観て、当事者の声に耳を傾けないのは現実をエンタメとして消費したと謗られてもしょうがないだろう。しかし、この映画の実直さは否定できないし、それゆえに力のある作品に仕上がっていると思っている。

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村山章

4.5今のデップだからこそ表現しえた境地

2021年9月26日
PCから投稿

写真家ユージン・スミスの瞳を通じて語られるこの物語は、我々が常識として知る水俣病に関する知識や記憶にまた新たな情景をもたらしてくれる。外国から引き寄せられるようにやってきた彼は、ファインダー越しに何を見つめ、何を感じたのか。本作の起点が「海外から見つめる瞳」である意味は大きい。赤く照らされた現像液の中でじわりと像を浮かび上がらせていくのは、決して水俣だけにとどまらぬ、世界中に共通する普遍的な怒りと悲しみと、家族と愛情の物語なのかもしれない。それは同時にスミスと我々が「最後の一枚」へと導かれていく荘厳な道行きでもあるかのようだ。これで感動しておしまい、ではなく、本作をきっかけに公害問題のこと、発展の名の下に個を抑圧する社会のこと、それからスミスの生涯をもっと紐解きたくなる。ジョニー・デップだからこそ表現しえた力強い境地がそこにはあった。日本人キャスト一人ひとりにも深い感銘を覚える作品である。

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牛津厚信

0.5キモかった

2025年3月28日
iPhoneアプリから投稿

おじいちゃんぐらいのデップーと若い女の人のセクシーなシーンがあって、キモすぎた。この映画にその描写は求めてないよ。おじさんが作ったおじさんのための映画って感じ。ゲロゲロ〜
少年マンガに出てくる「ちょっぴりえっちなシーン」みたいに続き見る気が失せた。キモいって。もうそういうのいいって。飽きたよ。
本当に伝えたい水俣のことが伝わりづらくなるから、こういう「セクシーシーン入れときゃ客入るやろ」みたいな下心出すの本当にやめてこ???

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蔵王

3.5整理がつかなくて・・・

2025年3月7日
PCから投稿

 であればレビューなんか投稿すべきではない。んですがやっぱり言いたくて。
 この作品、とても良かったです。日本人の中でも忘れ去られていきそうなこの忘れてはならない由々しき出来事を世界でも最も影響力のある人物の一人、Jデップがとりあげて再認識させてくれたこと。そして世界のいたるところで同様の事態が今も行われていることを知らしめてくれたこと。映画の意義を見事に果たしていると思います。
 一方、どうしてもひっかかってしまうのは、「実話をもとにした」作品であること。どこまで事実に忠実に制作されているのか、どこまでエンタメ要素が加味されているのかが作品によって曖昧であるため、観るほうとしてもどこまで本気で受け止めていいのか迷ってしまう。この作品でも正義と悪が明確に描写されているのだけど、悪側のモデルになった実在の人たちの不利益や誤解になっていないのか、など考えてしまい集中できなかったりする。
 写真家の撮った写真と言うものはメッセージが込められているものの基本は判断は見る者に委ねられているものと理解している。その写真家を題材にしたこの作品は善悪を決めつけた状態で仕上げて我々に訴えかけてくる。
 それはそれでいいような、釈然としないような・・・すんません。

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おまつ