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トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦のBLCKのレビュー・感想・評価

4.2
古き良き香港映画の魅力が詰まった作品。冒頭のB級感満載なオープニングから一気に引き込まれ、「これぞ香港映画!」と感じる外連味たっぷりの演出が続く。最近の映画が洗練されすぎている中、むしろ雑さや豪快さが際立ち、それが作品の魅力になっている気がもする。派手なアクション、突飛な演出、そして物語の飛躍すらも心地よいテンポを生み出している印象。

九龍城砦という異質な舞台の再現も圧巻でした。取り壊されてしまった場所だからこそ、セットで縦横無尽に駆け回るカメラワークが映える。製作費5000万香港ドルをかけたセットの迫力は、まさに圧倒的。アクション監督を務めた谷垣健治さんの手腕が光り、スピード感ある戦闘シーンでも「何をやっているのかがわかる」絶妙な映像作りが素晴らしかった。

キャラクターの魅力も見逃せない。特にルイス・クー演じるチャンは、佇まいや立ち振る舞いに説得力があり、寡黙で仁義を重んじる姿が胸を打つ。冒頭の床屋シーンでは、そのカッコ良さに圧倒されました。ほかにも印象的な人物が多く、雑魚キャラだと思った人物が実は強敵という展開には何度も驚かされました。何度も出てくる「硬直」というセリフはパワーワードとして印象に残り、香港映画らしいユーモアも感じさせている。

シチュエーション、キャラクター、アクションのすべてが噛み合った本作。スカッとする爽快感と心に残る感動が共存する一作として、香港アクションの良さを再確認できました。続編も制作予定とのことで、期待がも膨らみます。
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