ジョン・カーペンターの名作『遊星からの物体X』(原題:The Thing)のリメイク元。
こちらの原題は“The Thing from Another World”(異世界からのもの)。
邦題は『遊星より~』(旧)と『遊星から~』(新)の違い。
カーペンター版の“The Thing”のオープニング・タイトルは本作とそっくり同じデザイン(本作の方は下に小さく“from Another World”と入りますけど)。
原作はジョン・W・キャンベルのSF短編小説『影が行く』(原題:Who Goes There?)。
クレジットのハワード・ホークスが目立つので監督だと思ったら製作(でも大部分ホークス演出との説も)。
音楽は西部劇の大御所ディミトリ・ティオムキン。
本作の舞台はカーペンター版や原作と違ってなぜか南極ではなく北極。
モノクロの氷原や吹雪を見てるとなんだかペギラが出そうな雰囲気。
基地はかなりの大所帯(原作も37人)で女性がいるのもカーペンター版と違うところ。
でも一番大きく違うのは異星生物で、見た目はまるでフランケンシュタインの怪物。
しかもその外見に似合わず生血を吸う植物型生物という設定(ウルトラマンに出たケロニアに近いのか?)。
モンスターの設定が原作に忠実なのはカーペンター版の方で、犬や人間との同化シーンや血液検査シーンも原作にあるようですが、本作には全くナシ。
しかし当時の特撮技術からすれば仕方のないところかも。
それでも本作ならではの面白さもけっこうあって楽しめました。
ちなみに原作の登場人物にはマクレディ、ギャリー、ブレアー、ベニングスなどカーペンター版でお馴染みの名前が並んでいますが、本作ではそれらの名前は見当たらず、新規に設定されているようです。