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アトランティスのこころのHKのレビュー・感想・評価

アトランティスのこころ(2001年製作の映画)
3.8
当たりハズレが大きいスティーブン・キング原作映画ですが、これは当たり。
アンソニー・ホプキンス主演なんで大きくハズさないとは踏んでましたが。
モンスターが出る類のホラー寄り作品ではなくて『グリーン・マイル』なんかと似た超能力のお話。
こういうテイストのキング作品はけっこう好きです。

主人公の中年の写真家(デヴィッド・モース)は幼馴染の訃報を受け、長い年月を経て故郷に戻ります。
映画はそこから主人公が11歳の頃の少年時代の回想となり、そのときに出会う不思議な力を持った老人(ホプキンス)との短くも忘れられない交流が描かれます。

長い時間も過ぎてしまえば一瞬。
本作では17世紀のイギリスの詩人ベン・ジョンソン(西部劇俳優ではありません)の「時は年老いたペテン師」という言葉が何度も引用されます。

主人公の少年時代のボビーを演じたのは当時12歳のアントン・イェルチン。
どこかで聞いた名前だと思ったら、エイブラムス版『スター・トレック』シリーズのチェコフ役をレギュラーで3本務めながら27歳の若さで事故死したあの俳優でした。
本作ではホプキンスの名演と共に、とても生き生きとした二人の子役(ボビーとキャサリン)が印象的でした。

原題は“Hearts in Atlantis”。
原作は5つの中短編で構成されているらしく、本作はその中の2つをメイン・プロットとして映画化。
映画では描かれないものの、実は原作の方はキングの『ダーク・タワー』シリーズとも密接な関わりがあるんだとか。
まあ『ダーク・タワー』は知らなくても十分楽しめると思いますが。
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