2024.9.7
中華圏で有名な作家、金傭の代表作「射鵰英雄伝」の登場人物の外伝的作品。今で言う同人誌みたいなものなのかな。
1994年に公開されたものの再編集版。
まず射鵰英雄伝を読んでいないから元々のキャラクターたちを知らないけど、今作は小説のキャラクターたちの設定をウォン・カーウァイが自分のセンスでリメイクしたような感じ。
完全に彼の作品になっている。カットの切り方とか、映像の色味とか、誰も彼もが恋に悩み、雲のように流れながら生きている感じとか。いつまで失恋を描き続けるんやろう。まさか最後までこんな調子なのかな。
スローモーションなのに早送りのようなブレブレ技法で剣術アクションを撮る。何をしているのかがはっきりわからないけど、それ故にある種の迫力が出る。銃のイメージしかなかったから、剣でのアクションは新鮮。
レスリー・チャンを中心に幾つかの恋愛模様が描かれ、そしてその恋愛の矢印が一つずつ繋がっていくのが面白い。今回もほぼ全員片想い。プラスして愛しているのに叶わないのと、愛されているのに満足できない様もみえる。愛してるの一言がなかったから、彼の兄と結婚した。私は恋の勝者に思えた。愛することに疲れて、愛されようとした結果、全てを失った。失ったというより捨ててしまった。マギー・チャンの一人芝居に引き込まれる。「抱きしめたい」の時に比べたらすごい垢抜けた気がする。こんなにも大人の女性を感じさせる人ではなかった。「花様年華」観たくなってきた。
独特の雰囲気があって、飽きずに観れた。オリジナル版も見てみたいな。