日産自動車 ホンダとの経営統合を正式撤回

2025/02/05
更新: 2025/02/05

日産自動車は5日、ホンダとの経営統合に向けた基本合意書(MOU)を撤回する方針を正式に決定した。昨年12月に締結した共同持ち株会社設立の構想は、統合比率をめぐる条件折衝がまとまらず頓挫。ホンダ側が提示した日産の子会社化案に対し、日産社内で強い反発が起きたことが直接の要因となった。日本経済新聞が報じた。

両社は2024年12月、電気自動車(EV)開発や部品調達での協業拡大を目的に、共同持ち株会社を設立する方向で協議を開始。当初は2025年6月をめどに最終合意を目指していた。しかし日産側の業績不振を受け、統合の前提となる事業再生計画の策定が遅延。ホンダは1月下旬、代替案として日産株式の取得による子会社化を提案した。

この提案を受け、日産は5日午後に臨時取締役会を開催。関係者によると、協議の継続が困難と判断しMOUの撤回を決定した。日本経済新聞の報道を受け、東京証券取引所は同日午後2時49分から日産株の売買を停止。直前株価は前日比6.4%安の380.8円まで急落した。一方、ホンダ株は同8.2%高となる1500円まで値を上げている。

今後はEV開発など特定分野での協業継続の可否を再検討する方針。自動車業界ではテスラや中国メーカーとの競争激化が続く中、日系メーカーの再編動向に注目が集まっている。

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。