こんばんは。キタダハルキです。
ついに、出ますね。
syrup16g、5年ぶり待望の新作。
ここ最近、めったに「予約」とかせずでしたが、CDを購入して聴けるのを楽しみにしています。
さて、そんなsyrup16g…私としては「再結成の成功組」だと思っていましてね。
正直、再結成ってなっかなかうまくいかないことも多く、一度終わったものをもう一度って本当に難しいと思うんですが、彼らは再結成してもう8年。大きな活動停止もなく、アルバムもまぁまぁのペース*1で出せていて、ファンとしては嬉しい限り。
で、この「再結成」。syrup16gの場合は「どこが」よかったんやろう?ってのを個人的に考えてみたくなったので、よろしければお付き合いいただけたら、と思います。
■生傷をさらし、それでも立ち上がって…(Hurt)
まず、大前提として…シロップ再結成の報を聞いたときの率直な感想は…
心配。
この一語でした。そもそも解散自体が美しく終わっていたし、その後のがっちゃんのソロプロジェクトも残念ながら奮い切らずリリースせずに解散…って形だったのもあり、コンスタントな活動、期待して裏切られる感覚になるのが怖いなー、ってのが正直な印象だったんです。
そして復活作としてリリースされたアルバムがこの「hurt」でした。
このアルバムを聴いた最初の印象は…
良くも悪くも、精一杯、という感じだったんですよね。
演奏面も粗削り、サウンドも「もっと詰められるような…」とも。第一印象は決して芳しいものじゃなかったんですよね。帰ってきてくれて嬉しい気持ちが出た、というだけでもちろん成功ではあったんですがね。
でも、このアルバムのタイトルは「hurt」。日本語訳すると「傷つく」。これを認知したときに…うわぁ…すげえ…って思ったわけです。
正直に、生傷をさらし、それでも立ち上がって形にして仕上げてきたんや、っていう…。この姿勢こそまさにsyrup16gではないか。
徹頭徹尾続く「ザリザリ感」は、復活作として異色かつ、過去の虚像に頼らない、という意味でも快作だったと思います。
■「患者」であることを認め、肉体を取り戻す。(Kranke)
そこから1年以内で今度はミニアルバム「Kranke」をリリース。
タイトルのクランケとは「患者」。
ある意味、患者であることを認め、健全な肉体をバンドとして取り戻す過程が描かれていたような気がします。ミニアルバムながら間にインタールードを挟む贅沢な構成、強度の非常に高いキラーチューンでサンドイッチという、飽きさせない会心の一枚。
ここでもう、私としては完全に「安心」しましたね。
本当に帰ってきたぞ、シロップが、と。
■もがく姿も一貫して「かっこつけずに、正直」なあり方。(darc)
ただ、その1年後に出た「darc」は、一部ネットでは紛糾した印象もあった問題作でもありました。
その評判を見て、当ブログでは全曲しっかり聴きこんでレビュー…ってトライをやってみたんですが…
詳しい部分は上記の記事を見ていただけたら大変うれしいんですが…
「darc」とは、薬物依存のリハビリ施設のことでして…こちらでは、心の整理をつけていく過程だったのかなと。だからこそ、パーソナルなざわつきが聴きにくさ、にも繋がった面はあったのかなと思います。
だけど、そのもがく姿も一貫して「かっこつけずに、正直」なあり方。ここがシロップの最大のストロングポイントのような気がします。
■過去に置き去りになっていたものを結実させたアルバム。(delaidback)
この一連の流れで「肉体・精神」を取り戻し…
過去に置き去りにしてしまっていたものに向き合ったアルバムが「delaidback」という形で結実。
※画像の余白が想定外に大きくなっています…
先述のソロプロジェクトでお蔵入りになっていた名曲などをリアレンジの元、待望の音源化。こういう、いわば過去の傷に向き合う行為って、肉体も精神も充実していないとなかなかできなかったことだと思うんですよ。
このアルバムのツアーをもって、一度休む宣言をしましたが、納得感ありましたもんね。すべきことを全部やった、という風に映りましたし。
■「全曲新曲ライブ」からの、5年ぶり新作へ。
その後も休み明けにライブツアーは精力的に行い…
そして2021年11月「全曲新曲」ライブを行い…そしてその際に披露された楽曲が、5年ぶり新作「Les Misé blue」へと繋がる…というわけですね。
いやはや、楽しみですよ。
とにかく、手にできる日を待ちたい。
そう思いますね。
*1:かつての『生き急いでるような景色』ではなく。