カンテレ・フジテレビ系ドラマ『未恋~かくれぼっちたち~』(カンテレ 毎週木曜24:25~、フジ 同26:25~ ※FOD全話配信中)の主題歌であるリュックと添い寝ごはんの「灯火」が15日、配信リリースされ、ドラマ主演の伊藤健太郎が出演するミュージックビデオも公開された。
MVでは、ドラマの主人公・高坂健斗を演じる伊藤と、『海に眠るダイヤモンド』(TBS)にも出演した注目の子役・小野井奈々、メンバーの松本ユウも出演。監督はドラマの脚本も担当するカンテレの中林佳苗氏、撮影・編集は軍司拓実氏が務めた。
“大学生のころの健斗”という設定で、ドラマのアナザーストーリーとして描かれたこのMVは、行き場のない孤独を抱える健斗が、公園で小野井演じる少女に振り回されるうちに感情が変化していく様子が捉えられ、心温まるストーリーとなっている。
中林氏は「『灯火』を作詞・作曲された松本ユウさんが“孤独を手にできる気持ちが大事”と話されていたのが、個人的にすごく胸に刺さりました。きっと孤独としっかり向き合って、向き合い続けて生まれたぬくもりのある曲なんだろうなと感じます。そんな『灯火』の世界観に、感情の機微をすごく丁寧に表現する伊藤健太郎さんが出演するからこそ、伊藤さんの多彩な表情を切り取れるようなストーリーにしたいと思いました」と語っている。
コメントは、以下の通り。
■伊藤健太郎
――MV撮影は、いかがですか?
MVに出演することが久しぶりだったのですが、楽しく撮影させていただきました。共演させてもらった少女役の奈々ちゃんが自由奔放で、撮影の合間にも一緒に走り回って遊んで、楽しかったです。
――このMVは未恋の“アナザーストーリー”という設定ですが、いかがですか?
ドラマ本編の中の健斗より前の健斗ということなので、物語の冒頭の健斗よりもあまり人に心を開いておらず、まだこの先の未来も、どんな仕事をするのかも分からないような状況を意識して演じました。
――「灯火」を初めて聞いた時に感じたことを教えてください
『未恋』という作品自体もそうなのですが、世の中の“かくれぼっち”といわれる孤独を感じる方々が、この楽曲を聞いたときに、心が救われるような部分があるのではないかなと、歌詞を見ながら聞いていてすごく思いました。物語と合わせてそのように受け取っていただけたら、MVに関わらせていただいた身として、うれしいなと思います。
――今回MVの監督が、『未恋』の脚本も書いているカンテレ局員でしたが、いかがでした?
ドラマ撮影では監督ではなかったのですが、「監督がやりたい」とずっと現場で言っていたので(笑) 今日が楽しみでした。現場を仕切って引っ張ってくださったので、ステキなものができているのではないかなと思います。
■リュックと添い寝ごはん 松本ユウ (Vocal&Guitar)
僕らにとって初めての試みである、ドラマ主題歌。
伊藤健太郎さん主演のドラマ『未恋~かくれぼっちたち~』のお話をいただき、詞も曲もドラマのために書き下ろした一曲です。
ドラマのテーマである”孤独”は、寂しさと違って、ただただ心の中の自分と対話する瞬間で、誰にも会いたくない瞬間。 人間の繊細な心や、積もり積もるもどかしい感情の証のようなものだと思う。
日々悩み、懸命に生きているがゆえに感じるものだとしたら、孤独って、決して悪いものではないんじゃないか。
一般的にネガティヴなイメージが付き纏う孤独を、僕は真っ直ぐに肯定して、前を向いて強く生きようとする、心に灯火が灯るような歌を歌いたい。
自分の思いをひとつひとつ整理していったら、スッと楽曲制作が進み始めました。
サウンドアレンジは、Electric Light Orchestra「Mr. Blue Sky」のような、明るくもどこか哀愁の漂う楽曲を目指して、今回も高校の部活動時代から僕らを見てくれている宮田“レフティ”リョウさんと共に作業しました。
僕が中学生の頃、星野源さんの「夢の外へ」を聴いた時に感じた "ネガティヴな感情を肯定してくれる"感覚、明るいサウンドの中で心の淵の不安や葛藤を歌いながら希望を感じさせてくれたあの感覚を、今回どうしても込めたかった。そんな想いを、バンドサウンドと初の試みとなったストリングスアレンジで表現してみたら、求めていた哀愁感がグッと増して、この楽曲のゴールが見えました。 宮田さん、今回も素敵なアレンジを丁寧に施していただき、本当にありがとうございました。
「灯火」が、あなたの心を照らす一曲になりますように。
■中林佳苗氏
――「灯火」を聞いて感じたことを教えてください
ネガティブにとらえられがちな“孤独”を優しく肯定するステキな曲だなと、聞けば聞くほど思います。作詞・作曲された松本ユウさんが「孤独を手にできる気持ちが大事」と話されていたのが、個人的にすごく胸に刺さりました。きっと孤独としっかり向き合って、向き合い続けたからこそ生まれたぬくもりのある曲なんだろうなと感じます。
――『未恋』のアナザーストーリーを描くにあたって意識したことは?
「灯火」の世界観に、感情の機微をすごく丁寧に表現する伊藤健太郎さんが出演するからこそ、伊藤さんのいろいろな表情を切り取れるようなストーリーにしたいと思いました。ドラマで伊藤さんが演じる健斗は、自分の気持ちに素直になれないちょっとひねくれた役なので、そんな健斗の表情を変化させられるのは…純粋むくな子どもくらいかもと思い(笑) ドラマ本編ではあまり描かれない“大学生の頃の健斗”という設定にして、社会人という肩書きがつく前の、大人とも子どもとも言い難い、いわば何者にでもなれる時期に“行き場のない孤独”を感じている健斗が、少女との出会いで少しだけ前へ踏み出す物語にしました。少女役には、私が初めて監督した作品に出ていただいた小野井奈々ちゃんにお願いしました。当時のオーディションの時から、人一倍真っすぐで無邪気な演技がとても印象的で、健斗を振り回す役にピッタリだと思いました。
――撮影を終えていかがでしたか?
伊藤さんは、これまでたくさん作品を拝見してきてステキな役者さんだなと思っていましたが、今回監督をしてより一層感銘を受けました。こんな表情が撮れたらいいなという想像を、当たり前のように超えてくる、繊細な演技と引き出しの多さに、同世代としてすごく刺激を受けました。奈々ちゃんは、以前ご一緒したのが2年くらい前なのですが、天真らんまんなところは当時から全く変わっていなくて。だからこそ繰り出せる表情の数々に、本当に心が洗われました。制作スタッフと話し合いながら柔軟なつくり方ができたので現場の雰囲気もとても和やかで楽しく、その温かみも映像から感じていただけるかもしれません。
――注目して欲しいところを教えてください
「灯火」の歌詞と曲に合わせて、伊藤さん演じる健斗が、純粋むくな少女から影響を受けて変化していく多彩な表情に着目していただきたいです。奈々ちゃん演じる少女のあまりの純粋さに、もはや演技なのか素なのか…な伊藤さんのピュアさも出ている気がして、心温まる曲だからこそそんな一面もすごく魅力に感じます。ドラマでは見られない健斗のアナザーストーリーをぜひ見ていただけたら幸いです。
(C)カンテレ