更新日:2025年01月25日 11:04
スポーツ

鈴木みのる、“新日”若手時代から変わらないストロングスタイル「僕が話を聞いたのは、藤原さんと猪木さんだけ」

“世界一性格の悪い男”の異名を持つ人気プロレスラー・鈴木みのる。87年、新日本プロレスに入門し、ストロングスタイルで人気を馳せた男は現在、海外で試合を行う傍ら、東京・原宿で自身の店「PILEDRIVERHARAJUKU」を経営している。新日本プロレス界のエースであった棚橋弘至や里村明衣子は40代で現役引退を表明しているが、御年56歳の鈴木みのるは、今も第一線で活動中だ。その秘密は日頃の食生活も含めたコンディションにあるという。屈強な体の秘密に、作家の樋口毅宏氏が迫った。

(写真左から)作家の樋口毅宏氏、プロレスラーの鈴木みのる氏

年を取ってから日々のメニューを固定した

樋口:今日はよろしくお願いします。取材に臨むにあたって、日々どのような食事を取られているのか事前にデータとしていただきました。それによると、朝食がゆで卵、ブロッコリー、プロテイン。お昼が専門店のサラダにワイルドライスを入れたものと、プロテイン。ものすごくヘルシーですね。 鈴木:え、こんなの普通じゃないですか? もう僕、還暦近いですからね。56歳ですよ! 樋口:全然見えないです(笑)。だって普通の選手はその歳だとあちこち痛めてサポーターだらけになりますけど、鈴木選手はデビューしてから今まで、サポーターをつけて試合してたことってないですよね? 一度も見た記憶がないです。 鈴木:そうですね。パンクラスにいたときはつけなきゃいけないルールがあったからつけてましたけどね。それ以外はないです。 樋口:それも節制の賜物ですよね。 鈴木:年を取ると体の機能が落ちてきて、何を食っても太るようになるんですよ。じゃあどうしようかと思って、30年前の食事に戻したんです。 樋口:よく分かります。僕も夜は炭水化物を摂らないようにして、ビールも糖質0のものに変えました。それだけでも全然違います。 鈴木:それと同じことですよ。「糖質0のビールに変える」というのと同じ感覚でこれを食ってます。(ライスを入れたサラダを口に運びながら)これは「餌」ですね、完全に。「こういうの食ってる俺、カッコいい」と思いながら食ってますから。 樋口:ハハハ! 普段から「ひとりメシ」の機会は多いんですか? 鈴木:多いですね。地方に行っても普通に1人で店に入って、1人で食べてますね。 樋口:プロレスラーだと巡業があって、全国各地に「あそこに行けばあの店」というのがあると思うんですが、鈴木選手はどうですか?

海外遠征時もメニューは変えない

鈴木:今は巡業に出ていないんですよ。昨年(2024年)からは国内ツアーには出ていなくて、ほぼ毎月のように海外で試合してるんですよね。特にアメリカが多くて、アメリカの食事は脂と糖質が多いじゃないですか。そこでどうするかとなったときに、こういう食事だと、現地でも同じものが食えるんですよ。 樋口:海外でもこういう素材のものは見つけやすいんですね。欧米ではベジタリアンの人も多いでしょうから。 鈴木:多いですね。まあ向こうの普通の食事に合わせていると、よくいる、ケツの幅が1.5メートルぐらいあるオバチャンみたいになっちゃいますからね。あれは民族性とかじゃなくて、絶対食事のせいですよ。だって同じ大きさのアイスクリームでも、日本の3倍の砂糖が入ってるって言いますからね。 樋口:聞きますね。日本から移住した人がアジア的な食材が手に入りにくく、普通に食事しているだけでどんどん太っていったという話を聞きます。 鈴木:だから、アメリカの食事は何を食ってもおいしいんですよ。脂も多いし砂糖も多くて、味が濃いから。 樋口:昔、スタン・ハンセンが来日時に地方大会での試合を終えて、晩ご飯を食べようと1人でお店に入ったら、テキサスのアマリロで修行を共にしたジャンボ鶴田さんがやっぱり1人で食べていたというエピソードがあって。まるでロードムービーだなと思ったんですが、鈴木選手もそんなエピソードがありますか? 鈴木:いつもそんな感じですからね。でも以前、グループでやっていた時……。 樋口:新日本プロレスに参戦していた頃の「鈴木軍」ですね。 鈴木:あの頃はそのメンバーで行動することが多かったんですよ。海外の選手もいたので、コミュニケーションを取るのに酒を飲んだりメシを食ったりというのが一番よかったんです。だから試合が終わるたびに居酒屋に連れて行ってワーッと頼んで、みんなでワーッと飲み食いするっていう。その時は好きなもの食べてましたけど。 樋口:なるほど。しかし新日本プロレスで鈴木選手が残した爪痕は今でも……。 鈴木:爪痕とか関係ないっすよ。プロレスラーでもよく「爪痕残してやる」って言うヤツがいるんですけど、それって、やる側が言うことじゃないんですよ。あくまで見てくれた人たちが思うことで。今の若いプロレスラーは「プロレスファン」が多いんですよね。
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新日本プロレス時代のスタイル
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