老舗の洋食屋さんで食べる、ふっわふわのオムレツ、おいしいですよね。でも、自宅で作るとなると、なかなかうまく行かないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。かく言う私も、オムレツを作ろうとするものの、全然上手にできなくて、結局スクランブルエッグになってしまう、なんてことが昔はよくありました。でも、コツさえ掴んでしまえば、洋食屋さんのようなキレイなオムレツって自宅でも作ることができるんです。
そこで今回はふっわふわでおいしくて、見た目にも美しいオムレツを作り方を科学的なポイントを押さえながら御紹介していきたいと思います。こんなオムレツを朝食に作れれば、きっと1日がうまくいくこと間違いなし。ぜひ参考にしてみてください。
ポイントその1:タンパク質の凝固を抑えてくれる、あの調味料
まず、今回のオムレツに使う材料を御紹介します。
材料(オムレツ1個分)
- 卵・・・・・・・・3個
- 生クリーム・・・・大さじ2
- マヨネーズ・・・・大さじ1
- 塩こしょう・・・・少々
- バター・・・・・・10g
実はこの材料の時点で一つ大きなポイントがあります。材料をすべてボウルに入れた様子がこちら。
あまりオムレツの材料で聞かない、あの調味料に驚いた方もいるんじゃないでしょうか。そう、マヨネーズをここで入れるのが一つ目のポイントです。
材料を混ぜ合わせる際にマヨネーズをほんの少しいれるだけで、マヨネーズに含まれている乳化された植物油と酢が卵に含まれるタンパク質の凝固をゆるやかにしてくれます。
そのため、卵がすぐに熱で固まることがなく、ふっわふわにオムレツを焼き上げやすくなるのです。さらに酢の作用で卵の黄色が鮮やかになり、乳化された植物油は冷めても固まる事がないため、ふわふわとした食感を持続させる効果もあると言われています。
マヨネーズは加熱すると溶けてしまうので材料を混ぜる際に多少ダマになっていても問題ないですよ。
ポイントその2:丁寧な撹拌こそオムレツの命
卵の黄味と白身が熱によって固まり始める温度が違うのはよく知られていますよね。白身の固まる温度は55度、黄身の固まる温度65度です。
よく卵を溶かないと、固まりきらないふわふわの状態で成形する際に、白身と黄身の分かれ目から裂けてしまう可能性があります。丁寧に白身を切るような感じで撹拌してください。御自宅にあれば、下の写真のような泡立て器を使って溶くのがおすすめです。
有名な洋食屋さんのオムレツはさらに卵液を濾しているそう。だから、焼き上がりが表面にムラがなくキレイなんですね。
ポイントその3:焼き上げる時の温度に注意
フライパンにながし入れてからフライパンもゆすりつつ、菜箸で絶え間なくぐるぐるっとかきまわし続けます。
熱いフライパンに接触している時間が長いと、固まりすぎて後で丸めることが難しくなってしまいます。フライパンに接触している時間をなるべく短くし、全体の温度が60度(白身と黄身の固まる温度の中間ですね!)となるように注意します。温度を見極めるコツは菜箸でかき回す際に菜箸が通った筋からフライパンの肌が見えるようになったら。
あとはフライパンを一旦火から外し、奥側に卵を集めてフライパンの柄の根元3分の1のところをとんとんとんっとたたくと卵がめくれあがって来ます。
そのまま1回転。
ここでもう一度火にかけ、裏側の半熟部分を溶接。
さっと、くっつけちゃいましょう!
お皿にスライドさせてよそったら・・・
じゃ〜〜ん!
どんな不器用さんでも、これを守って卵1パックも練習すれば、ホテルの朝食のようなオムレツができちゃいますよ。
最後にポイントをおさらい!
材料:ケチャップではなくマヨネーズをいれてふんわり食感を!
撹拌:泡立て器でスープのような卵液に!
温度:フライパンもゆすりつつ菜箸も動かし焼く時の温度は60度!
これさえ頭に入っていればふわふわキレイなオムレツがあなたにもできます。朝からこんなオムレツを食べることができたら最高ですよね。今回はプレーンオムレツの作り方を御紹介しましたが、ベーコンやチーズを入れて食べるのもオススメです。ぜひ試してみてくださいね。
執筆者 haru
1993年12月3日生まれ。大学を二ヶ月で中退後、半年で貯めたアルバイト資金でフードコーディネータースクールに入学。卒業後、料理家、フードコーディネーターのアシスタント経験を経て独立。同時に料理ができない子に向けた、ブログをスタート。レシピコンテスト入賞、料理イベント参加などの経験を生かし現在はフードアーティスト学院に通いながらフードコーディネート、レシピ開発などをさせていただいています。