平野紫耀、バラエティMCで光る鋭い観察眼と頭の回転の速さ 物事を瞬時に咀嚼する無二のテクニック

平野紫耀が見せる頭の回転の速さ

 昨年7月に放送されたバラエティ特番『3people 1minute』(日本テレビ系)。その第2弾が2月4日に放送され、前回に引き続き、平野紫耀が渡辺直美とともに番組MCを務めた。

 「3人以内1分以内」というシンプルなルールのもとでパフォーマンスを行い、審査員の評価を経て優勝1組を決める『3people 1minute』。参加人数と時間の制限はあるものの、言い換えれば「それさえ守れば何でもアリ」なのが、この番組の面白いところだ。今回の放送では、個性豊かな全27組が出演。全身を使った影絵、濃さの違う鉛筆の嗅ぎ分け、オリジナルの早口言葉披露……と、ジャンルを問わないユニークなパフォーマンスがいくつも繰り広げられた。

 番組は基本的に、「パフォーマンス→MCによるパフォーマーへのインタビュー→審査委員の評価」の繰り返しで進行していく。「こんなことをできる人がいるのか!」と叫びたくなるような驚愕のパフォーマンスも多いなかで、平野はMCとしてその魅力をさらに引き出していた。

 たとえば、自己紹介をしながら3桁のフラッシュ暗算を行った出演者には、「グループでごはんを食べに行って、お会計の時に喋りながら割り算ができる?」と日常の一コマに置き換えて質問。かんなクズからアートを作るパフォーマンスでは、普通なら仕上がりに見入ってしまいがちだが、「かんなで薄く削るのがまず難しいですよね」という工程を意識した平野のコメントに思わずハッとさせられた。何かを受けて「すごい」と反応するのは簡単だが、それを瞬時に咀嚼して、「何がどうすごいか」をわかりやすく伝えるのは実は難しいもの。平野の鋭い観察眼と、頭の回転の速さが光っていた。

 ダンスのパフォーマンスになると、リスペクトと熱のこもったコメントを残していたことも印象深い。レーザーとリンクしたダンスパフォーマンスでは、「弦をレーザーに見立てて弾くところとか、上品だけど見たことのないかっこよさ」と視覚的な美しさを言葉で表現し、小道具を用いたシンクロアクロバットでは、「何かを持ちながら(アクロバットを)するって相当難しいんですよ。バランスも変わっちゃうので」と、経験を踏まえて解説。自身もダンスに携わっているからこその説得力のある発言に、出演者がどれだけ難しい技をこなしているのかが伝わってきた。

 一方で、サイコロを20個積み上げるパフォーマンスでは、パフォーマーがひとりなのにもかかわらず「みなさん……」と呼びかけてしまい、「サイコロまで含めちゃった」「20人じゃない(笑)」と自らツッコんで笑いが起きる一幕もあった。そんな言い間違いも、目の前で行われるパフォーマンス一つひとつに興味を持って、真剣に見守っているからこそかもしれない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる