『買うなら腕磨きに情熱を！』 CANON EOS 7D ボディ カメラ好きな牛さんのレビュー・評価

コストパフォーマンスに優れ、高画質の動体撮影向けとして優秀なカメラだと思います。
４０Ｄに買い増しで購入しました。主被写体はカワセミです。
主として４０Ｄとの比較感になります。
【デザイン】
好みですから何とも言えませんし、いい感じだとは思いますが、新たなカテゴリーなので従来と違った角ばったデザインなど見てみたかった気がします。
【画質】
ツボにはまった撮影ができれば、圧倒的に精細な美しい写真が撮れます。
しかし、そうなるにはそれ相応に撮り手側に技術を要求するカメラだと思います。
高画素の影響でしょう、少しのブレやピンボケに対して妥協してくれません。
４０Ｄで補正範囲だったものも補正困難です。設定、撮影技術等に神経を使います。
高感度はＩＳＯ：１６００くらいまではカワセミのディテイルもある程度維持され
ます。それ以上でも加工・圧縮利用を前提とすれば、画にはなります。
【操作性】
ＥＯＳ利用者はすぐ慣れるでしょう。
ボタンのカスタマイズ、選択メニュー設定等、使いやすいように作れます。
カメラ初級者の方には、設定の多さそのものが面倒かもしれません。
【バッテリー】
よく持ちます。
一日５００回以上レリーズし、その間ＡＦ、ＩＳを作動させ続け、たびたび画像チェックで液晶を点灯させていても切れることはありません。
残量がパーセンテージで見られるのも精神衛生上助かってます。
【携帯性】
一眼レフに、軽さ・小ささを求めるかどうかは利用の仕方によりますが、グリップ無しで８枚連写ができるのは、鳥撮りとしては「携帯性が高い」と言えます。
一般には重くて大きいと感じるでしょう。
【機能性】
１．ＡＦ
非常に良いと思います。
食いつきと追従性は優秀で、カワセミ動体撮影の打率は上がりました。ファインダー内で飛翔するカワセミにずっとピントが合っているのを見るのは快感です。
ただし多点選択時に指定ＡＦポイントに落ち着いてくれなかったり、他の被写体に引きずられてイライラすることも。また、設定組み合わせの数が多いので、その選択が撮影シーンに合わないと、設定で後悔することもあります。

２．連写
爽快です。
ＡＦ設定を全部ピント優先にしたり、暗い場所では遅くなったり不規則になったりしますが、これは宿命的なものかと。概ねの一般的撮影シーンでは規格通り連写できます。
また、ファインダーの画像消失時間が短く、ミラーの跳ねも抑えられており、連写中でもファインダーで動体を追いやすいのが利点です。

３．ファインダー
４０Ｄから大幅進歩。
クリアな視界ですし、ピントの山もつかみやすい。
ただし、ライバル同級機とではほぼ同等ではないかと思います。
透過型液晶は見ていて楽しいですが、少々合従表示が大き過ぎる感もあります。実用上支障はありませんが。

４．連写枚数
Ｍｏｄｅ６ＵＤＭＡ使用、ＲＡＷの実撮影（カワセミのホバリング）で５秒連写２７枚、当初約２秒１５枚、バッファーフル後約３秒１２枚でした。充分でしょう。

５．露出
４０Ｄより少々明るめに計算するように思います。
色合いはきれいで、高画素によるのか階調も深く、４０Ｄと同一設定でも少し落ち着いた感じになるように思います。

【液晶】
４０Ｄから大幅進歩。
日照下でも見やすく画像も美しいです。
静止画専門の私としては少々良すぎで、液晶で見ている間だけ幸せという場面も多々発生します(笑)。
【ホールド感】
まだ４０Ｄの方が手になじんでいますが、これはどの機種でも慣れでしょう。
【総評】
１．ポテンシャルを全部引き出せば、大変良い写真が手に入ります。
２．しかし、高画素化により、少しのブレ、ボケ、設定間違いにも一切妥協
　　してくれないカメラです。
　　使い手の技術を要求されます。「機能は充分に準備したから、うまく使って
　　ちゃんと撮ってごらんよ！」と叱咤激励されている感じです。
３．腕磨いて、高画素の成功写真をたくさんＧＥＴしよう！という技術習得に
　　熱意を持つ人、つまりハマった人には持って来いの優秀なカメラです。
　　そうでもない…という方にはあまりお薦めする気はしません。
４．徹底的なブレ対策（安易に三脚という意味では無く、手持ちの構え方や
　　ＩＳ付きレンズの活用など含め）も購入と同時に考えましょう。
５．総じて、やる気にさせてくれる部分を含めて、私自身は非常に良いものを
　　手に入れたと満足しています。もちろん１Ｄｍｋ４などを気軽に買えれば
　　その方が満足度は高かろうとは思いますが、フトコロが許さない身として
　　最良の選択であったと思います。