皆大好き、カレーの季節がやってきました! 食べに行くのもいいけれど、家で本格派カレーを目指したい……。
そこで今回は、カレーを愛するマニアたちに自宅で愛用している「推しのカレールー」を聞いてみました。通販やスーパーで手に入る市販のルーばかりなので、すぐにマネできちゃいます。
おすすめの理由とあわせて、そのカレールーで作る「わが家のカレーレシピ」も紹介。本格的な味が再現できるちょっとした工夫が盛りだくさんです。今宵の献立にぜひお役立てください!
- 玉置標本「タイからやってきたグリーンカレーの素」
- キンマサタカ「チーズ好きの熟成欧風カレー」
- 河瀬璃菜「横濱舶来亭 カレーフレーク こだわりの中辛」
- スパイシー丸山「カレー専門店のカレールー」
- 京大カレー部「プレミアム熟カレー」
玉置標本の推しカレールー:タイからやってきたグリーンカレーの素
それからさらに数年がたち、市販のルーを使えばグリーンカレーは簡単だという噂を聞き、実際に作ってみると「バーモントカレー」と変わらない難易度で本格的っぽい味ができた。なるほど、これはまだ知らない人に作ってあげたい料理だ。こうして10年以上前の話が、ようやく腑に落ちたのである。
ということで紹介するのは「グリーンカレーの素」。本場タイで作られたこの商品は、原材料がとにかくシンプルなのが特徴だ。
ココナッツクリーム、パームシュガー、レモングラス、唐辛子、にんにく、シャロット、食塩、ガランガル、カフィアライムの皮、魚醤、シュリンプペースト、以上。大量生産のために合理化した食材が一切ないため(たぶん)、調味料と香辛料の組み合わせをシンプルに楽しめる。適当な具と炒めて水で5分煮るだけなので、15分もあればアロイ(タイ語で美味しい)だ。まだグリーンカレーを作ったことがないという人は、ぜひ一度試してみてほしい。
推しカレールーで作る わが家のカレーレシピ
鶏肉と夏野菜のグリーンカレー
<材料・2人前>
- タイからやってきたグリーンカレーの素……1袋
- 水……大さじ2(ルーをのばす際に使用)
- 鶏モモ肉……1枚
- 夏野菜(ナス、ピーマン、トマト、キュウリなど)……適量(たっぷり)
- 水……250cc(ルーを煮込む際に使用)
- ナンプラー……適量
- バジル……適量
- シシトウ……適量
<作り方>
- 鶏モモ肉と夏野菜を一口大に切っておく
- グリーンカレーの素に大さじ2の水を加えて、弱火で加熱しながらのばす
- 中火にして鶏モモ肉を加えて炒める
- さらに夏野菜を加えて炒め、全体に味をなじませる
- 水250ccを加え、5分ほど煮込む
- 味を確認して、塩分が薄ければナンプラーを加える
- ごはんに掛けたら、ちぎったバジル、細切りのシシトウを散らす
<ポイント>
これから暑くなる時期は、グリーンカレーと相性抜群の夏野菜が安くて美味しい。なんでもいいからたっぷりと加え、薄くなった塩分をナンプラーで補うのがコツ。仕上げにフレッシュな青唐辛子を散らしたいが辛過ぎるので、生のシシトウで青臭さ(誉め言葉)だけをプラスする食べ方がお気に入りだ。
◆
キンマサタカの推しカレールー:チーズ好きの熟成欧風カレー
カレールーとはおそらく万人受けが求められる商品である。ルーを作る技術者たちは、本格的なカレーをイメージして、それに近づけたいと努力を重ねるのだろうが、スパイスの風味が強いと敬遠されてしまうのか、とにかくどっちつかずの味わいになってしまうことが多いように思う。
そんな中この「チーズ好きの熟成欧風カレー」は「欧風」をうたうことで、明確にターゲットを絞っている。そんな気がする。スパイシーなインドカレーは得意じゃないけど、カレーが好きな人。いわゆる欧風カレーを好む人をターゲットにしている。
そう、初めからそっちの方に寄せているとルーが宣言しているのだから、もっと寄せる努力をすればいい。このルーを使ってカレーを作る場合のゴールははっきりしている。だから、作り手としても工夫をしやすい。欧風カレーの代名詞はチーズだ。だから、私はチーズをこれでもかと入れる。
今回紹介するレシピではトッピングで焼きチーズも追加した。欧風カレーに欠かせない、フルーツの酸味と旨味は、カルピスの原液で代用する。カレーの味は三重奏。ベースとなるたまねぎの旨味が低音、スパイスが高音だとしたら、中低音にあたる部分を強化すれば味はさらに複雑になる。今回はその役割を「追いチーズ」と「カルピス」が担う。このルーを使えば、あっという間に本格的な欧風カレーが完成する。
推しカレールーで作る わが家のカレーレシピ
30分で完成する、これでもかと欧風カレー
<材料・3人前>
- チーズ好きの熟成欧風カレー……半量
- サラダ油・牛脂……適量
- 玉ねぎ……大1個
- きのこ……100g
- 牛肉……200g
- カレー粉……小さじ1
- カルピス(原液)……50ml
- とろけるチーズ……100g
- スライスチーズ……お好みで
<作り方>
- サラダ油と牛脂を入れ強火で玉ねぎを炒める
- 透明になったら、中火にして、きのこと肉を入れてさらに炒める
- カレー粉を入れて1分ほど炒めたら火を止める
- パッケージ裏に書かれた分量通りに水を入れる
- 沸騰してから10分ほど煮込む
- ルーを割り入れ、10分ほど煮込んだらとろけるチーズを投入する
- 最後にカルピスを入れ、ひと煮立ちさせたらカレーは完成
- 米とルーを耐熱皿によそったら、スライスチーズをトッピングしてトースターで焼き目をつける
<ポイント>
基本的には箱の裏に書いてあるレシピ通りに作ること。それ以外のこだわりポイントは、コクと酸味を追加すること。まず、野菜と肉を炒める時に牛脂を追加する(なければサラダ油を多めに)。炒めるときはカレー粉で香りをプラス。さらにチーズを追加する(今回はトッピングもして焼き目をつけた)。最後にカルピスを入れてフルーツのような酸味と甘味を加えて味を立体的に。
◆
河瀬璃菜の推しカレールー:横濱舶来亭 カレーフレーク こだわりの中辛
母は料理がとても上手なので、このカレーもさぞ時間をかけて作っているのだろうと思っていましたが「手間と時間をかけずに美味しく作るのはこのルーが秘訣」と母から聞き驚いた次第です(笑)
このカレーフレークは、22種類ものスパイスの豊かな香りと様々なフルーツやスパイスを煮詰めたマンゴーチャツネの独特な甘酸っぱさが特徴的!
全体の味のバランスが良く、これ一つ使うだけで、お店で食べるような抜群の美味しさになるところがお気に入りポイントですね。
今回のチキンカレー以外にもシーフードカレーやビーフカレー、ポークカレーなどさまざまな具材のカレーとも相性が良いです。さらに、通常の固形のルーではなくフレークになっているため、カレーだけでなくチャーハンやコロッケなどの他のお料理の味キメにも使えるのもうれしいです。
推しカレールーで作る わが家のカレーレシピ
トマトとナスのチキンカレー
<材料・4人前>
- 横濱舶来亭 カレーフレーク こだわりの中辛……100g
- トマト……4個
- ナス……4本
- 手羽先……400g
- 玉ねぎ……2個
- にんにく(すりおろし)……1かけ
- 生姜(すりおろし)……1かけ
- 鶏ガラスープ……800cc
- バター……20g
<作り方>
- トマトはざく切り、ナスはくし切り、玉ねぎはみじん切りにする
- 中火で熱したフライパンにバターと玉ねぎを入れ、塩をひとつまみ加えたら、飴色になるまで炒める
- 別の鍋に鶏がらスープ、手羽先、トマトを入れ蓋をしたら、30分煮込む
- 3に、2、ナス、にんにく、生姜、カレーフレークを入れ、蓋をして20分煮込み、最後に蓋を外して10分煮込めば完成
<ポイント>
特殊なスパイスや食材は使用していないにもかかわらず、ここまで美味しく作ることができるのは、「横濱舶来亭 カレーフレーク」のおかげ。鳥手羽の旨味にトマトの酸味のバランスが良く、夏に食べたいさっぱり味のカレーに仕上がっています。
◆
スパイシー丸山の推しカレールー:カレー専門店のカレールー
30種類のスパイスを贅沢に使った豊かな香り、奥深いコクが広がる洋食店のカレーのような味わいは、多くの人に喜ばれること間違いなし。辛さは中辛よりも控え目なので幅広い世代の方に楽しんでいただけますよ。王道のカレーテイストでありながらも香りの雰囲気がちょっと違うところも◎ アレンジを加えなくてもいつもと違う美味しさを簡単に楽しむことができます。
重宝しているのはやはりフレークタイプだというところ。フレークタイプは作る量をコントロールしやすく一人前からでもサクッと作れるのがうれしいんですよね。また固形ルーよりも溶けやすいので汁気の少ないキーマカレーにもオススメ。カレーのレパートリーもかなり広がると思います。料理のカレー味アレンジの調味料としても使いやすいので、ぜひいろいろ試してみてください。
業務用なので1パック500gと量は多いですがジッパー付きなので保存も楽々。一度使ってみると他のカレールーが使えなくなりますよ。
推しカレールーで作る わが家のカレーレシピ
とろっとろチーズソースのチーズキーマカレー
人気カレー店の原宿「みのりんご」、大船「ちぃりんご」をイメージしてピンクペッパーとドライパセリで飾り付けをしてみました。省略可ですがのせるとさらに美しく仕上がります
<材料>
- キーマカレー(4人前)
- カレー専門店のカレールー……100g
- 挽き肉……300g(鶏ムネの挽肉がベスト)
- ニンジン……中1本(みじん切り)
- 玉ねぎ……中1個(スライスorみじん切りで)
- ニンニク(チューブ)……3~4センチくらい
- ショウガ(チューブ)……3~4センチくらい
- 水……200cc
- 油……大さじ2
- 温泉玉子……1個(1人前に対して)
- チーズソース(1人前)
- とろけるスライスチーズ……3枚
- 牛乳……大さじ2
<作り方>
- 鍋に油をひき玉ねぎを投入。中火で10~15分炒めてアメ色にする
- アメ色になったらニンニクとショウガを入れ1分炒める
- 挽肉とみじん切りにしたニンジンを入れ5分炒める
- カレーフレークと水を入れ、かき混ぜてカレーフレークを溶かす
- フタをして弱火で3分煮込んでキーマカレーの完成。円形に盛り付けたご飯にかける
- キーマカレーの中央部分をヘコませ、そこに温泉玉子を乗せる
- 仕上げにトロトロのチーズソースを作る。ほどよい大きさにチーズをちぎり牛乳を加える
- 電子レンジ(800W)で40秒ほど加熱し、加熱が終わったら素早くかき混ぜる*1。溶け切っていない時は再度加熱する
- キーマカレーにチーズソースを豪快にかけて出来上がり
<ポイント>
キーマは鶏ムネ肉でライトに仕上げ、チーズは大胆にたっぷり使うのがポイント。一人前に対してスライスチーズ三枚とかなりの量になりますが、お店のようなご馳走キーマカレーに仕上がります! キーマとチーズの間に温玉を入れるとさらに贅沢感が増すのでおすすめ。
◆
京大カレー部の推しカレールー:プレミアム熟カレー
三宅: カレー部ではあまりルーを使わないけど、ルーってお湯でのばすだけでも美味しいし、それ単品ですごく濃いカレーみたいなものだよね。
丸田: うん。それってつまりビリヤニじゃない?
三宅・吉田: ??
(それどこ編集部:???)
ビリヤニ:濃いめのカレーとご飯をひとつの鍋で炊き合わせる、インドのスパイス料理
丸田: ビリヤニに使うカレーって濃いめじゃん。
三宅: で、カレールーはそれ自体が特濃のカレーだと。
吉田: つまりカレールーは……ビリヤニ。
三宅: 三段論法だ!
丸田: でもビリヤニって、普通のカレーのようなとろみはないよね?
吉田: とろみってデンプンでしょ? アミラーゼで分解すれば、とろみを減らせるよ。醤油とかハチミツに入ってる酵素ね。
丸田: じゃあ、ルーは「プレミアム熟カレー」でどう? パッケージに書いてあるスターアニス、ビリヤニにも使うスパイスだし。
三宅: いいね。あとはルーを分解して使いたい!
吉田: ええ……?
(それどこ編集部:????)
三宅: このルーはせっかく二段に分かれてるんだし! 混ぜるのは簡単だけど、混ぜたらもう元には戻らないんだよ。せっかくエントロピーが小さいんだから、活用しないと。
吉田: もしかして熱力学の話してる?
丸田: ビリヤニって米とカレーを層状に重ねて作るものだし、層ごとに別の味にするの面白いかも。やってみよっか。
(それどこ編集部: 何言ってんだ……)
推しカレールーで作る わが家のカレーレシピ
ルーで作れる簡単ビリヤニ風ごはん
<材料・4人前>
- プレミアム熟カレー……4ブロック
- 米(あればバスマティライス)…… 3合
- 玉ねぎ……1/2個
- 鳥モモ……300g
- 水……150cc・75ccを分けて使用
- 以下、付け合わせのライタはお好みで
- パクチー……適量
- ヨーグルト……適量
- 塩……適量(やや多め)
<作り方>
- 米を硬めに炊いておく
- フライパンで鶏もも肉と細切りの玉ねぎを炒め、1/3を小鍋に分ける
- プレミアム熟カレーを上段と下段に分ける
- フライパンに水150ccと下段のカレールー(茶色い方)を入れ、炒める
- 小鍋に上段のルーと水75ccを入れ、炒める
- 下段のルーを入れたフライパンの火を止め、醤油とハチミツを小さじ1ずつ入れてしばらく放置する
- 新しく深めの鍋を用意し、下段カレー、米2/3、上段カレー、米1/3の順に敷き詰める
- とろ火でご飯がやわらかくなるまで炊いたら、底から混ぜて完成
<ポイント>
ルー特有のとろみはビリヤニにはいらないので、醤油やハチミツのアミラーゼで分解してとろみを減らします。塩味を決めるのが難しい料理ですが、付け合わせのライタ(緑野菜をヨーグルトと塩で味付けしたもの)で調整するといいです。
◆
それどこでTwitterやってます!
今回紹介した商品
【楽天市場】 タイからやってきたグリーンカレーの素
【楽天市場】 チーズ好きの熟成欧風カレー
【楽天市場】 横濱舶来亭 カレーフレーク こだわりの中辛
【楽天市場】 カレー専門店のカレールー
【楽天市場】 プレミアム熟カレー
あわせて読みたいカレーに関する記事
https://soredoko.jp/entry/2016/03/24/110000
https://soredoko.jp/entry/2018/06/07/110000
*1:秒数はあくまでも目安です。加熱しすぎると分離するので様子を見ながら作ってください。