リノベーション・オブ・ザ・イヤーに見る「最前線」 グランプリのキーワードは「循環型リノベ」
1年を代表するリノベーション作品を決めるリノベーション・オブ・ザ・イヤー。12年目となる2024年の授賞式が12月12日に開催されました。226のエントリー作品の中から選び抜かれた総合グランプリをはじめ、各受賞作から、リノベーションの今を読み解きました。
【注目point1】循環型リノベ。既存資材を最大限活かす
SDGs(持続可能な開発目標)の意識が年々人々に浸透しつつある昨今、リノベーション業界でも持続可能なものづくりを模索し、構築し、提供しようという動きが生じています。
そもそもリノベーション業界は、建物全体を取り壊して新たに建築するスクラップアンドビルドを否定し、既存を活かす視点を持ち続けることで成長を遂げてきました。
ただ、既存建物をスケルトン状態まで解体すれば大量の廃棄物を出してしまうことも大きな課題となっています。
そこで、さらに一歩踏み込んで、資源の循環利用を重視して最小限の資源投入量で最大限の豊かさを得ようという「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)」へ転換し、資材のリユース・リサイクル・アップサイクルを繰り返して廃棄物を最小化すること、建築時には解体後に再利用可能な建材を用いたり、建材のトレーサビリティ(生産から消費、廃棄までの追跡管理)までも進めていくべきという考えも登場しています。