能登移住者、エネルギー自給生活発信 「災害に強い」エコ商品販売も

ショールームに設置されたコンポストトイレの使い方を説明する森雄翼さん=20252月、石川県七尾市の能登島
ショールームに設置されたコンポストトイレの使い方を説明する森雄翼さん=20252月、石川県七尾市の能登島
  • ショールームに設置されたコンポストトイレの使い方を説明する森雄翼さん=20252月、石川県七尾市の能登島
  • 石川県七尾市・能登島、羽咋市
  • 土の中の微生物の力で排せつ物を分解するコンポストトイレ=2025年2月、石川県七尾市の能登島
  • 納屋を改装して完成したショールームに立つ森雄翼さん=2025年2月、石川県七尾市の能登島
  • ショールームに置かれたまきストーブと森雄翼さん=2025年2月、石川県七尾市の能登島
  • 森雄翼さんのオフグリッド生活を発信しているユーチューブチャンネル「ecoばかクリエイション」
2025年03月10日 17時06分

 豊かな自然に魅せられ、5年前に和歌山県から石川県七尾市の能登島へ移住した森雄翼さん(35)は、エネルギーを自給自足する生活を送りながら、水や電気をほぼ使わないコンポストトイレなどエコロジー商品を販売している。昨年元日の能登半島地震で被災し、一時市外に避難していた経験も踏まえ、自らの生活を「自然災害に強い生き方」と交流サイト(SNS)で発信している。(共同通信=西岡克典)

 森さんは、自宅付近の納屋を改装して今年1月、経営する会社「ニトクラフト」のショールームを完成させた。土の中の微生物の力で排せつ物を分解するコンポストトイレは、木目を生かした温かい雰囲気のデザイン。温水を作って床暖房に活用できるまきストーブや太陽熱温水器も並ぶ。改良段階の試行錯誤に加え、海外メーカーとの交渉など多くの課題を乗り越え、今では年約5千万円の売り上げを誇る。

 エネルギー自給にこだわるのは、学生時代の経験がきっかけだ。森さんは熊本県水俣市出身で、京大農学部在学中に東日本大震災が発生した。休学して仙台市で約1年間ボランティア活動に従事する中、東京電力福島第1原発事故の被害の大きさを実感し、エネルギーの在り方を考え直すように。大規模な公共インフラに頼らず電力やガス、水などを自給自足する「オフグリッド」という概念に出会った。

 卒業後は和歌山県新宮市に移住してオフグリッド生活を実践。家族にも背中を押されて2020年に能登島へ移住した後も活動を継続している。ユーチューブチャンネルの登録者数は8万人を超え、実用化した商品を動画で紹介すると、視聴者から予約が殺到。「こんなに見てくれていたんだと実感した」と振り返る。

 能登半島地震後、森さん一家も島から数十キロ離れた同県羽咋市への避難を余儀なくされた。能登島に架かる橋2本は不通となり、うち1本は現在も通行止めのまま。「孤立した時は自活が必要」とオフグリッドの重要性を再確認した。

 森さんの生活や商品では、簡単にまねできる再現性を重視する。「どこでも誰でも実践できるエネルギー自給生活を能登から広めていきたい」と言葉に力を込めた。

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