イスラム教徒の少数民族数千人、中国当局に抵抗しモスク守る 雲南省
(CNN) イスラム教徒の少数民族数千人が先週末にかけて、中国南西部にあるモスク(イスラム教礼拝所)を取り囲んだ。彼らは当局がモスクのドームや「ミナレット」と呼ばれる尖塔(せんとう)を取り除こうとしていると主張。そうした試みを阻止する最後の手段として集結した。中国では宗教の自由に対する弾圧が拡大している。
当該のモスクは雲南省の村、納古鎮に住む回族が使用する。モスクに変更を加えるこうした措置は、習近平(シーチンピン)国家主席が広範に進める宗教の「中国化」の一環とみられる。
政策の目的は、外国の影響を受ける宗教を浄化し、中国の伝統文化と独裁的支配により即した形になるよう調整することにある。中国を統治する共産党は、公式には無神論の立場をとる。
近年中国当局は、明白にイスラム教的と分かる建築物を排除するべく、全国1000カ所以上の回族のモスクを対象にモスクの破壊や、ミナレットを倒すといった行為を繰り返してきた。回族の活動家はそう主張する。上記の村のモスクは、破壊の及んでいない最後のモスクの一つだという。
モスク前で警察と住民の衝突が発生/Twitter/@majuismail1122
村は回族と歴史的なつながりが深く、雲南省のイスラム文化の重要拠点となっている。同省は東南アジア諸国と国境を接し、民族的多様性に富む。
モスクの「中国化」に向けた動きは、これまで地元住民からの激しい反発に直面している。
ソーシャルメディアに投稿され、CNNが位置情報を確認した動画には、住民らが暴動鎮圧用の装備をした警官隊と衝突する様子が映っている。警官隊はモスクへの入り口を封鎖し、群衆を盾と警棒で押し返している。
住民らは怒りの叫び声をあげ、一部は水のボトルや煉瓦(れんが)を警官に向かって投げている。