石破茂首相は5日、他国からの武力攻撃や災害時に備える避難シェルター整備について「2025年度末までに全国的な実施方針を策定する」と表明した。自民党の「シェルター議員連盟」(会長:古屋圭司元国家公安委員長)が同日、首相官邸で米国事例の調査を求める提言書を手渡したことが契機となった。
政府関係者によると、現在日本の核シェルター普及率は人口の0.02%と極端に低く、スイスやイスラエル(100%)、米国(82%)に比べて大幅に遅れている状況だ。自民党議連は「連邦・州・民間の各レベルでシェルター基準を調査し、法整備や第三者検査機関の設立が必要」と指摘。古屋氏は記者団に「首相のリーダーシップで政府が主導すれば、遅れを取り戻せる」と期待感を示した。
林芳正官房長官は、具体的な整備地域の選定や構造基準の策定を進める方針を「2024年3月末をめどに基本方針をまとめる」と従来から表明していたが、今回の首相発言で具体化が加速する見通しだ。
2024年度には東京都が港区に地下シェルターを整備する方針を打ち出すなど、地方自治体レベルでの動きも広がりつつある。
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